フットボールチャンネル

日本代表 5年前

ほろ苦い形で幕…香川真司は代表復帰戦後、何を語ったのか? 若い世代に取り残されないために

text by 元川悦子 photo by Getty Images

久保建英や東京五輪世代の若いアタッカー陣も育ってくる

 大迫勇也や本田圭佑のように、屈強なフィジカルとボールを収める技術を駆使して最前線でタメを作ってくれる選手がいない以上、香川は少し下がり目のポジションで起点を作りながら、ゴール前に飛び込んでいく形を増やさなければいけない。

 自身がシュートを放ったラストの決定機では可能性の一端が感じられたが、それを繰り返して精度を上げていくこと。そうすれば「お膳立てもでき、フィニッシュも決められるキーマン」として、森保ジャパンでも輝きを放てるようになるのではないか。

 その迫力をより増していかなければ、若い世代の成長に取り残される可能性はゼロではない。実際、この半年間で中島が急成長し、南野もトップ下として自信を深めているし、今後は三好康児や久保建英や東京五輪世代の若いアタッカー陣も育ってくることを考えると、現状に甘んじてはいられない。

 中島がコロンビア相手になりふり構わず勝負を仕掛け、貪欲にゴールを狙ったように、香川もそういったチャレンジャー精神をもっともっと前面に押し出すことが肝要だ。そうやってゼロから戦っていくことが、自分自身と日本代表を活性化させるはずだ。

 この1試合を生かすか殺すかは香川次第。3度目となる2022年カタールワールドカップ参戦という大願を成就させるためにも、コロンビア戦で得た収穫と課題を着実に先へつなげていくことが大切である。さしあたって26日の次戦・ボリビア戦の一挙手一投足が注目される。次はスタメンが有力視されるだけに、ジョーカーの顔とは一味違った香川真司の輝きをぜひ見せてほしいものだ。

(取材・文:元川悦子)

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top