日本代表は危機的? 0-1では済まない完敗。コロンビア代表が示した本物の「対応力」

2019年03月23日(Sat)12時49分配信

text by 舩木渉 photo Getty Images
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相手の変化に日本の対応は?

 ケイロス監督は前日記者会見で「サッカーは組織的に、役割分担や規律があったうえでやらなければならない。システムはとても重要なので、当然どんな監督でもシステムをちゃんと決めて、その役割を全員がこなしてくれて、それで結果を出すのが一番望ましい」と述べた。その通り、サパタの投入によってチーム内に改めて明確な規律が植えつけられた。

 システムはよりはっきりと4-4-2になり、サパタが最前線で基準になることによって、攻守の方向性を定めていく。ファルカオはその周囲で自由に振る舞えるようになって、中盤まで下がってボールを引き出したり、ゴール前に飛び出したり、多彩なバリエーションを見せた。ハメスも右サイドを起点に中央のスペースを使いながら、同時に右サイドバックのエリベルトンがオーバーラップする余裕を作る。

 連動性の増したプレッシングから組織だった攻撃につなげ、コロンビアは躍動感を取り戻していった。そして生まれたのが、冨安健洋のハンドを誘ってのPKのチャンスと、ファルカオのゴールである。大エースが亡き父と大怪我を負ったファン・フェルナンド・キンテロに捧げた一発は決勝点となった。

 最終スコアは0-1だったが、日本は後半だけで3点奪われていてもおかしくなかっただろう。54分にはビジャのクロスにファルカオが頭で合わせてゴールネットを揺らしたがハンドで取り消し。67分にもムリエルがサパタのシュートからの一連の混戦に頭を出してゴールかと思われたが、今度はオフサイドで無効に。

 後半アディショナルタイムにも途中出場のルイス・ディアスの強烈なミドルシュートがクロスバーを叩く場面があった。加えて序盤の4分に中央のハメスを起点にした展開で左のムリエルを経由し、高速クロスにファルカオが飛び込んでクロスバーにシュートを当てたものも含めれば、コロンビアが意図的に作り出した決定機は、実際にゴールとして認められた他に4つ以上あった。

 では、日本はコロンビアの変化にどう対応したのか。失点直後に鈴木武蔵を下げて香川真司を投入、さらに71分に乾貴士と小林祐希、79分に鎌田大地を送り出したが、いずれも得点に結びつくような効果はなかった。「選手層を厚くする」というテーマがあるにしろ、ベンチに同じようなタイプの選手が多く、大迫勇也不在とはいえ、はっきりと戦術を変えられるような尖った特徴を持った選手が少ないのも事実だ。

 ピッチ内では柴崎がプレッシャーを受ける最終ラインを助けるためにポジションを下げてビルドアップに絡み、中島翔哉が守備で巧みなポジショニングからボール奪ってのドリブル突破やショートカウンターに繋げるようなシーンも散見されたが、個人レベルの一時的な対応に過ぎず、おそらく相手も予想できたものだっただろう。

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