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Jリーグ 5年前

久保建英、一撃必殺の切れ味。誰もが脱帽する『質の違い』、勢いをさらに加速させるには?

シリーズ:週刊Jリーグ通信 text by 下河原基弘 photo by Getty Images

「質の違いを久々に日本人で見た」(松本山雅FC・反町康治監督)

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松本山雅FCの反町康治監督【写真:Getty Images】

 敵将・反町康治監督は「翻弄されたと言ってしまうと、明日の新聞にでそうなので」と話し報道陣の笑いを誘うと、「相手を見てポジションをとったりとか、相手を見て判断をぎりぎりで変えるのとか、やっぱり少し日本人離れしたところがあると思うんですよね」と話した。卓越した足もとの技術だけでなく、周りを見て最善の位置やプレーを選択することで、守備が最も対応しにくい流れを作り出しているということなのだろう。

 そして「昨年よりも今年の方がいいんじゃないのと、さっき健太に言いましたけども、そこで時間を作られる。そこに1点目みたいに、オリベイラと永井がというのがFC東京の今年の特徴ですからね」と続けた。この試合でも1点ずつを挙げて順調に得点を量産する驚異の2トップだが、17歳の働きがあってこそ一層強く輝くと分析しているようだ。

「非常に質の違いを久々に日本人で見たと思いますね。これからどういう道筋をたどって、どういう風になるかという意味では、この試合の後で言うコメントではないかも知れないですけど、楽しみですし、将来日本を背負って立つようなプレーヤーになってもらいたいと思いますし、まあ応援しています」と大絶賛した反町監督。「(対戦が)もう1試合あるんで、海外に行った方がいいんじゃないかな」と本気とも冗談ともつかないコメントで会見を締めくくったが、能力を高く評価しているのは間違いない。

「試合を通してよかったと思います」と珍しく、自らのプレーを自画自賛した若き天才。毎試合のようにアシストなどで結果を出し続け、この試合でもポストをたたく惜しいシュートも放ったが、まだ今季リーグ戦では無得点。次のガンバ大阪戦、指揮官もサポーターも熱望するゴールが久保に生まれれば、東京の勢いはさらに加速していく。

(取材・文:下河原基弘)

【了】

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