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アーセナル、屈辱的大敗の理由。チェルシーにやられ放題となった45分間、沈黙した強力な武器

text by 小澤祐作 photo by Getty Images

守備も崩壊。チェルシーに使われたある部分

エインズリー・メイトランド=ナイルズ
エインズリー・メイトランド=ナイルズのパフォーマンスは残念なものとなってしまった【写真:Getty Images】

 アーセナルの守備が崩壊した理由は、CBとWBの間のスペースをチェルシーにこれでもかというほど使われてしまった、というところにあるだろう。とくに右サイドのメイトランド=ナイルズの守備は、チェルシー戦に関して言えば、ひどいものとなってしまった。

 先制点の場面ではソクラティス・パパスタソプーロスとメイトランド=ナイルズが2人でアザールのマークに付いてしまったため、エメルソンにフリーでクロスを上げられている。しかし、この場面に関しては仕方なかった部分もあるだろう。ジルーのシュート技術も非常に高かった。

 問題なのは2、3失点目の場面である。メイトランド=ナイルズは自陣でボールを奪われ、チェルシーにカウンターを許す。その影響で空いた右サイドをアザールに使われ、最後はペドロにあっさりゴールを決められた。

 さらに64分にはディフェンスに戻るのが大幅に遅れ、ジルーをフリーとしてしまった。そこにパスを通され焦った背番号15は急いでフランス人FWに身体を寄せに行くが、同時に冷静な判断力を失い、背後からジルーを押し倒しPKを献上してしまった。

 やはりアーセナルにとってはCBとWBの間のスペースを使われてしまうと、自然とピンチを招くようになってしまう。もっと言えば左サイドにいるのは世界屈指のドリブラーであるアザールだ。だからこそ最大限の注意を払わなければならなかったが、反対にやりたい放題やられてしまったと言えるだろう。

 4失点目も、オーバメヤンが自陣でボールを奪われサイドを使われた結果、喫してしまったものであった。この時点でアーセナルはシステムを4バックへと移行していたが、ミスによるものでは防ぎようがないのも事実。エメリ監督の采配も、ピッチ上での不用意なミスによって水の泡となってしまった。

 4失点すべてが右サイドを崩されてのものとなってしまったアーセナル。ミスを見逃さず確実に仕留めたチェルシーも見事だったと言えるが、なんとももったいない敗戦となってしまった。

 目標であったCL出場権獲得は、またも叶わなかった。来季もELに参戦することになるが、次はどんなシーズンを送るのだろうか。

(文:小澤祐作)

【了】

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