EL決勝、チェルシー対アーセナルはなぜ3点差もついたのか? 完璧なはずの守備戦術が破綻した理由

2019年05月31日(Fri)12時46分配信

text by 内藤秀明 photo Getty Images
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あるいはラムジーがいれば…。完璧なはずの守備が崩れる小さな綻び

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負傷により欠場したアーロン・ラムジーは、来季のユベントス移籍が決まっている【写真:Getty Images】

 前半のアーセナルは押し込むことに成功し、高い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けることもあった。この主導権を握る展開でゴールを奪うことができれば理想だったのだが、結果的にはネットを揺らすことができなかった。

 その原因は主に二つだ。一つ目はこの日、ラカゼットとオーバメヤンが不調で、ボールの収まりも、持った後のプレーの精度も低かったことだ。もちろん守備的なタスクが多く、しんどい試合ではあったが、普段ならそれをこなしつつも攻撃で違いを作れたはずだ。

 もう一つはトップ下の人選だろうか。今季のエジルはかなり守備意識が改善されたものの、とはいえ得意というわけではない。そんなエジルが相手のビルドアップの核であるジョルジーニョをマークしなければならないというのはミスマッチと言わざるをえない。エジルは守備的なタスクをこなすだけで、かなり消耗していたようにも見える。

 また攻撃面に関しても、片方のサイドに相手を引き付けて、グラニト・ジャカがサイドチェンジし、コラシナツがボックス内に侵入するなど、サイドからの攻めが多かった。この戦い方の場合、パスセンスに秀でているエジルよりも、ボックス・トゥ・ボックス型のMFのほうが親和性は高い。

 そういう意味では、今夏アーセナルを去ることが決まっているアーロン・ラムジーが負傷しておらず、起用できればこの試合の流れももう少し変わったかもしれない。ウェールズ代表MFならスタミナに自信ありなので、攻守ともに難なく最低限のタスクを完遂しつつ、クリエイティブなプレーでチェルシーを混乱させていたはずだ。

 結局チェルシーの、のど元に刃を突き付けることは成功したものの仕留めることができなかったアーセナルは、チェルシーから逆襲をうけることになる。

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