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リバプールに栄冠もたらした奇跡の男、ディボック・オリギ。戦力外のFWが英雄となる物語

text by 内藤秀明 photo by Getty Images

しびれるゴールをありがとう

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CL準決勝2ndレグでは2得点をマークした【写真:Getty Images】

 ヘンダーソンのCKのこぼれ球をマティプが拾いベルギー代表FWにボックス内でつなぐ。オンサイドのポジションで待ち構えていたオリギは、ワントラップで振りぬける位置にボールを置くが、トビー・アルデルヴァイレルトに詰められる。角度はあまりない。しかも名手ウーゴ・ロリスがゴールマウスを守っている。

 それでも得点のにおいがした。オリギだったからだ。

 大きく振りかぶったオリギは、左足で強烈なシュートをファーに放ち、優勝を決定づける2点目を決めた。

 確かにクロップのサッカーにオリギは完全フィットしているとは言えない。試合の流れに乗れない時間帯もある。それでも優勝を目指すチームには欠かせない途中出場のゴールスコアラーという、チームに求められる役割を、結果を残すことで見出した。

 オリギは今、最高の幸せに浸っているようで、「自分の役割をこなすことができてハッピーだ」と語る。

 それはリバプールファンも同じだろう。彼のおかげで今季のリバプールがあるのだ。

 今シーズンは、最高のゴールを、最高の試合を本当にありがとう。

 また来シーズンも、しびれるようなゴールをどうぞよろしく。

(文:内藤秀明)

【了】

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