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Jリーグ 5年前

FC東京が抱く自信の理由。昨季失速の原因を糧に…長谷川健太監督が描く後半戦のプラン【英国人の視点】

text by ショーン・キャロル photo by Getty Images

「何も守る立場ではないし、失うものもない」

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FC東京の最終ラインを守る森重真人【写真:Getty Images】

 森重真人も、チームが最後まで戦い抜く上で鍵となるのは適応力にあると語る。

「何より大事なのは勝つことです」。32歳のCBはG大阪との試合後にそう話していた。

「そのためにどうするかとなると、試合中の状況ごとに対応できるようにすることが大事で、今日はそれができていました。どういう調整をする必要があるのか、試合の中で見つけ出せるようにすることが重要です。単純に『これができれば十分』ということではなく、全員が試合の中で対応したり変えたりできるようにしなければいけません。賢くやることが大事だと思います」

「去年はたぶん、良くも悪くも頑固に、ひとつのプレーのやり方だけにこだわるようになってしまっていたと思います。それ自体は悪いことではないですが、今年はもっとフレキシブルにプレーできるようにする必要があります」

「チャンピオンベルトを獲れる場所にいるわけではなく、僕らは常に挑戦する立場です。首位に立ってはいますが、今はあまりそういうことは考えていません。全試合が終わったあとでトップにいることが目標です。何も守る立場ではないし、何も失うものもないので、メンタル的には良い状態だと思います」

今週末にはフロンターレをホームに迎える。2連覇中の現王者と、王座を狙う挑戦者が激突する大舞台の準備は整った。2年前には川崎Fも、初のリーグ優勝を目指して今のFC東京と同じ立場にいた。この試合をFC東京が制したとすれば、新たな歴史を生み出そうとしているクラブは大きな一歩を踏み出すことができそうだ。

(取材・文:ショーン・キャロル)

【了】

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