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18歳・久保建英が分析するタジキスタンの強みと弱み「サイドの仕掛けはダイナミック」

text by 編集部 photo by Getty Images

久保建英
日本代表のMF久保建英【写真:Getty Images】

 日本代表は現地14日、翌日の2022年カタールワールドカップアジア2次予選・タジキスタン代表戦に向けて最後の練習を行なった。

 森保一監督は試合直前まで対戦相手の映像を見せない傾向があり、13日の段階ではMF南野拓実がタジキスタン代表の印象を問われて「(映像は)まだチラっとしか見ていないですし、チームミーティングはまだしていないので、まだなんとも言えないですね」と語るほどだった。

 もちろんあえて詳しく話さないようにしている可能性もある。14日の練習後も、取材に応じた選手のほとんどが対戦相手の印象や分析について詳細を語ろうとしない中、18歳のMF久保建英だけは違った。努めて冷静な視点で、相手の強みや弱みを理解しているようだった。

 直近のものも含めたいくつかの映像を見た上で、「サイドの選手の仕掛けには非常にダイナミックなものがあったりだとか、特にボランチの選手のサイドチェンジは個人的に気をつけた方がいいのかなと思いました」と15日に対戦するチームの強みを警戒していた。

 タジキスタン代表の基本フォーメーションは4-1-4-1で、9月に行われた2次予選の2試合ではほぼ同じ先発イレブンを起用していた。久保が警戒するサイドには、左に21歳のMFエフソン・パンゼシャンベ、右に20歳のMFムハマジョン・ラヒモフの出場が予想される。伸び盛りの若手2人が見せる縦方向への仕掛けは迫力十分で、タジキスタン代表の攻撃における大きな武器になっている。

 そして中盤はアンカーにウズベキスタンでプレーしているMFアミルベク・ジュラボエフが構える。彼こそ久保が語った「サイドチェンジ」を蹴ることのできる攻撃の起点だ。

 インサイドハーフは右に10番のMFアリシェル・ジャリロフ、左にMFパルビズホン・ウマルバエフが起用されるだろう。左利きのA・ジャリロフはセットプレーのキッカーで、ウマルバエフはブルガリアでプレーするチーム内屈指の実力者。彼ら2人と、縦への突破力が持ち味のラヒモフ、右利きの逆足ウィンガーになるパンゼシャンベがゴール前に襲いかかる攻撃は、モンゴル代表やキルギス代表を大いに苦しめた。

「サイドに仕掛けのダイナミックな、フェイントとかを使って仕掛けてくる選手がいたりだとか、フィジカル面でも結構球際が強い。映像で見て、モンゴル戦でも球際で勝っている場面が多かった」

 久保はこのようにタジキスタン代表の攻撃の強みについて語る一方で、「かと言ってモンゴルも攻めている場面があったので、逆にディフェンスのところなんかはちょっと穴もあるのかなと思いつつ、という感じですね」と守備面に弱点があることにも言及していた。

 日本としては早めに先制点を奪い、そのうえでホームで負けられない相手が前に出てきたところを、久保が言うような弱点を利用して畳みかけて追加点を重ねていきたいところだ。18歳の潜在能力の塊が明かしたタジキスタン代表の強みと弱みは、ピッチ上でのパフォーマンスを評価・分析するだけでなく、観戦する上でも大いに参考になるに違いない。

【了】

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