日本代表は良くも悪くも変化なし。柴崎岳、吉田麻也…固定される主力にも競争が必要な理由とは?【西部の目】

日本代表は15日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でタジキスタン代表と対戦した。前半こそスコアレスで折り返したものの、後半に3点を奪って勝利を収めた。今後の日本代表の強化のためには、吉田麻也、柴崎岳ら主力選手にも競争を入れていく必要があるという。その理由とは。(文:西部謙司)

2019年10月16日(Wed)11時14分配信

シリーズ:西部の目
text by 西部謙司 photo Getty Images
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良くも悪くも変化なし

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日本代表の柴崎岳と吉田麻也【写真:Getty Images】

 南野拓実の連続得点で2-0として勝負をつけた。浅野拓磨も加点しての3-0は文句なしの結果といっていいだろう。タジキスタンはモンゴルより1枚上手で、プレスを外す技術も球際での激しさもあり、前半は日本を苦しめたが試合結果に影響を与えるほどではなかった。

 日本のプレーは良くも悪くも変化はない。チームとして進化できるような練習時間は与えられておらず、先発メンバーも負傷欠場の大迫勇也に代わって鎌田大地が起用されたのと、モンゴル戦で負傷離脱の冨安健洋のところに植田直通が入っただけ。ほぼいつもどおりの人選と組み方なので、大きな変化など起こるはずもないわけだ。この予選にそれを期待するほうが間違っているのだろう。

 前半の日本は上手くいかなかった。ときどきタジキスタンのプレスにはめられてビルドアップが詰まっている。相手ディフェンスラインの裏を狙ったパスも流れがち。人工芝の影響もあるかもしれないが、これまでにもあったことだ。日本の決定機はCKからの吉田麻也の3本と、中島翔哉からのクロスを南野がフリーでシュートした形があったが、いずれも決まらず。逆に橋本拳人がボールを失ったところから、タジキスタンの決定機があったがGK権田修一が冷静に防いだ。これを決められていたら、試合の流れはまた違ったものになっていたかもしれない。

 後半に鎌田がトップから引いてボールを受けるようになってから攻撃のリズムが出てきた。そして南野が4分間に2ゴール。前半から左右に振られ続けたタジキスタンに隙ができていた。ボールポゼッションとテンポの差がボディブローのように利いてくるのは、アジアカップのときにもあったとおりである。

 後半にも3回ほど危ない場面があったが、タジキスタンのフィニッシュの精度がなく失点を免れた。予選は結果だけが大事なので、3-0は上出来である。一方、内容には何ら進歩はなく、ただ勝ち点を積み上げただけの試合だった。

大胆な選手起用に期待

 日本の交代は中島→浅野、鎌田→永井謙佑、南野→久保健英。いずれも大きな変化はもたらしていない。

 左サイドに起用された浅野は高いジャンプのヘディングで3点目を決めたが、決定機を外し、自陣でのボールロストから危うく失点しそうになるなど、全体的にはさほど良いプレーではなかった。永井はほとんど見せ場なし。久保はボールを持ったときはクリエイティブだったが、与えられたプレー時間が少なすぎた。

 中島、鎌田、南野は最もクリエイティブな3人だったが、彼らを引っ込めて何をしたかったのかよくわからないまま終わっている。もう少し相手が前に出てくる想定だったのかもしれないが。

 戦術を仕込む時間が足りない以上、選手で変化をつけられなければ何も起こりようがない。2次予選は実力差があるので、日本は従来どおりのベースを固守していれば勝ち抜けられる。ただ、ベースは出来ているのだから人選での変化はつけやすいはずで、招集メンバーも含め、今後はもう少し大胆な選手起用にも期待したい。

 本格的な変化は東京五輪後になるのだろうが、アンタッチャブル化している柴崎岳、吉田、酒井宏樹、長友佑都のポジションにも今後は競争を入れていく必要がある。代表活動は練習時間が限定されているのに強化期間は長く、常に遠くの将来に備えておかなければならない性質があるからだ。

(文:西部謙司)

【了】

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