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南野拓実こそ、いま真に注目すべき男。久保建英ら不在でも日本代表を見る価値はある

text by 編集部 photo by Getty Images

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ザルツブルクに所属する日本代表の南野拓実【写真:Getty Images】

【キルギス代表 0-2 日本代表 カタールワールドカップ・アジア2次予選第4節】

 日本代表は14日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でキルギス代表と対戦し、2-0で勝利を収めた。

 先制点は南野拓実から生まれた。遠藤航は縦パスを伊東純也につけるが、劣悪なピッチ環境でトラップできず。これを斜めに走り込んだ南野がボールを収めると、飛び出してきたGKの腕が南野の足に入って倒してしまう。日本代表にPKが与えられた。

 PKキッカーに名乗り出た南野はゴール右側へアウト回転のかかったボールを豪快に蹴り込む。シュートはゴールネットへと吸い込まれ、南野は予選4戦連発となるゴールを決めた。

 久保建英と堂安律はU-22日本代表に帯同するため、今回の代表メンバーには選ばれていない。怪我から復帰したばかりの大迫勇也も日本代表に選ばれず。さらに所属するポルトで出場機会を得られていない中島翔哉がこの試合では先発メンバーから外れた。

 森保ジャパン発足時から大迫、堂安、南野、中島の前線カルテットは固定されてきたが、キルギス戦で先発したのは南野のみ。それでも南野はアジア2次予選でチームが挙げた13得点のうち、5得点をマーク。日本代表では別格の存在感を放っている。

 南野の活躍は代表チームだけではない。在籍6季目となるザルツブルクでは今季、リーグ戦で3得点4アシストと好調を維持。さらに圧巻と言えるのはUEFAチャンピオンズリーグ(CL)でのパフォーマンスである。

 初のCL本戦出場となった南野は、初戦のヘンク戦で2アシストを挙げてチームを6-2の大勝へ導くと、第2節では昨季のCL王者・リバプールと対戦。圧倒的な雰囲気をまとう敵地アンフィールドでザルツブルクは36分までに3失点を喫してしまった。

 しかし、ザルツブルクのリバウンドメンタリティがここで炸裂する。前半のうちに1点を返すと、56分にクロスに走り込んだ南野が右足で豪快なボレーシュートを決める。4分後にはFWアーリング・ハーランドのゴールを南野がお膳立てし、CL王者に追いついた。

 その後勝ち越し弾を浴びて、惜しくも敗れたザルツブルクだったが、CLという大舞台で南野は大きな爪痕を残している。日本代表での活躍は氷山の一角に過ぎないのである。

【了】

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