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マンU失落のワーストイレブン。ファーガソン退任後に獲得したヘンテコリンな選手たち【粕谷秀樹のプレミア一刀両断】

シリーズ:粕谷秀樹のプレミア一刀両断 text by 粕谷秀樹 photo by Getty Images

FW

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【写真:Getty Images】

▽FW
アレクシス・サンチェス
ラダメル・ファルカオ
メンフィス・デパイ

 魅力的な3トップだ。彼らの時代が重なり、お互いの特性を理解すれば、50~60ゴールも期待できそうなメンバーである。事実、ユナイテッドに来る前はワールドクラス、スーパースター候補生といわれていた。

 ムヒタリアンとの交換トレードでアーセナルから移籍してきたサンチェスは、クラブに馴染もうとすらしなかった。スペイン語を話すファン・マタ、デヘアとも距離を置き、孤立していく。アーセナルで失ったモチベーションは、インテル・ミラノに移籍した現在も取り戻せていない。

 26試合・4得点。ファルカオのデータは散々だ。パートナー不足や度重なる負傷も災いしたが、期待が大きかった分だけ、失望感も深い。エル・ティグレ(スペイン語で虎)の異名を持ち、超一流のDFにも恐れられていたゴールゲッターは、牙さえ見せずにユナイテッドを去っていった。

 さて、デパイである。「あのころのオレはガキだった。いまならユナイテッドに貢献できる」。リヨンで調子を獲り戻し、再チャレンジのときを虎視眈々と狙っている。たしかにデパイはガキだった。自信過剰で周囲と連携せず、わがままなプレーも目立った。自慢のドリブルも単調になり、球離れも悪いため、いつの間にかベンチにも入れなくなった。デパイの挑戦は早すぎたのかもしれない。

ユナイテッドの復活は遠い先の話

 この他にもアフロヘアとボールロストしか印象のないマルワン・フェライニ、インパクトが薄すぎる、いや、まったくなかったモルガン・シュネデルランも〈ハズレ〉であり、ケガによる戦線離脱が長すぎるアントニー・マルシアルも、どちらかといえばワーストに分類される。このフランス人アタッカーを獲得したとき、ルーニーはこういった。

「マルシアルってだれ?」

 アリソン、フィルジル・ファンダイク、アンドリュー・ロバートソン、ファビーニョ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、サディオ・マネなど、リバプールは直近3~4年の補強がことごとく成功している。マンチェスター・シティも市場でうまく立ちまわり、エデルソン、エメリック・ラポルト、ケビン・デブライネ、ベルナルド・シウバ、ラヒーム・スターリングといった名手を手に入れた。

 両チームともに強化担当は業界の目利きである。ユナイテッドのウッドワードはビジネスマンであり、フットボールの世界では信用されていない。この部分を改めないかぎり、補強は満足に進まないだろう。噂どおり、来シーズンからマウリシオ・ポチェッティーノが監督になっても、UEFAに続き、プレミアリーグがシティに補強禁止、勝点剥奪などの処分を科しても、ユナイテッドの復活はまだまだ遠い先の、そのまた先の話である。

(文:粕谷秀樹)

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