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日本代表 4年前

日本代表は「想定外」に極めて弱い。医療業界にも通じる致命的欠点。コロナウイルスの権威に聞く【日本代表マニュアル 前編】

終息が見えないコロナ禍のなか、Jリーグ開幕が正式に決定された。我々サッカーファン、サポーターは今後、サッカーとどう付き合い、向き合っていけばよいのか。正しい「観戦マニュアル」とはいかに―。サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授がすべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。6月12日発売の『サッカーと感染症』から、一部抜粋して前後編で公開する。今回は前編。(文:岩田健太郎)

text by 岩田健太郎 photo by Shinya Tanaka

リスクマネジメントができない日本代表

日本代表
【写真:田中伸弥】

 日本代表はうまくいかない時のことを考えておくのが極めて苦手ですよね。これはサッカー界もそうだし、我々の医療業界もそうなんです。自分たちが失敗することを考えることはよくないみたいな屁理屈があります。

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 本当は全部考えておくべきなんですよ。ところが、そういうことを考えること自体が負けみたいな風潮があります。

 よく会議でも、「今そんなことを考えてどうするんだ」とか言われるんですよ。

 このスキームがうまくいかなくなったらどうしようというのは、うまくいかなくなってからどうしようと考えるから大体はダメ。本当はうまくいっている時に、うまくいかなくなったらどうするのかを準備しておくのがリスクマネジメントの王道なんです。

 今、医療現場もみんなパニックになっていて、冷静な話し合いが難しくなっているんです。どの会議に出てもみんな頭が真っ白になっているので、「落ち着いて議論をしましょう」と言うと、「何もわかっていない」「これは気持ちの問題なんです」とか、そういう台詞が連発するので今は絶望感のようなものを感じています。

(文:岩田健太郎)

感染症対策の権威にして熱烈なサッカーファンである岩田健太郎教授。書籍本編ではイニエスタとの貴重なエピソードも収録! 今だからこそ聞きたい新たな「サッカー行動マニュアル」の詳細は↓をクリック!

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『サッカーと感染症』


定価:本体1,300円+税

≪書籍概要≫
 長いスパンで感染症と付き合わざるを得ないWithコロナ時代に突入した今、もちろんサッカー界も新しい形態、思考にモデルチェンジしていく必要がある。サッカーを愛してやまない感染症専門医の第一人者・岩田健太郎教授の“サッカー異論”をフットボール批評編集部がまとめ、サポーター、選手、指導者……すべてのサッカーピープルに向けて、新しいガイドライン「サッカー行動マニュアル」の策定を試みた。

詳細はこちらから

【了】

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