逆転勝利、ラウタロ・マルティネスが示したその脅威。インテルが手にした勝ち点3以上の価値

セリエA第32節、インテル対トリノが現地時間13日に行われ、3-1でホームチームが勝利している。インテルはこれがリーグ戦3試合ぶりの白星。アタランタ、ラツィオを抜いて2位に浮上している。その中で、もう一つ嬉しいニュースがあった。ラウタロ・マルティネスに久々の得点が生まれたことだ。(文:小澤祐作)

2020年07月14日(Tue)11時31分配信

text by 小澤祐作 photo Getty Images
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後半の3得点で逆転勝利

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【写真:Getty Images】

 ボローニャ戦(1-2)、エラス・ヴェローナ戦(2-2)とここ2試合勝ち星から遠ざかっていたインテルは、暫定ながらアタランタに順位を抜かれ、4位に後退してしまった。来季のチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得はほぼ間違いないが、3季連続の4位フィニッシュでは満足いく結果とは言えないだろう。

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 しかし、現地時間13日に行われたセリエA第32節のトリノ戦では、アントニオ・コンテ監督の修正力、それをピッチ上で体現したイレブンたちの力が見事に合わさり、インテルらしい強さが発揮されることになった。

 前半は苦しんだ。インテルはしっかりとボールを繋ぎながら、FWラウタロ・マルティネスとFWアレクシス・サンチェスの足下にボールを収め、そこからの展開でトリノ守備陣を攻略しようと試みた。しかし、MFトマス・リンコンとMFソアリオ・メイテのダブルボランチは非常に堅く、なかなか前線にボールを入れさせてはくれない。サイドに逃げても、両ウイングバックを下げて5バックで守るトリノを攻略するのは容易ではなかった。

 そんな中、17分にはGKサミール・ハンダノヴィッチがハイボール処理を誤り、こぼれ球をFWアンドレア・ベロッティに押し込まれた。インテルはまさかの形で先制点を許してしまったのである。

 こうすると、トリノの守備強度はさらに高まる。インテルは変わらずボールを保持するが、得点を奪うことができず、0-1のまま後半へ向かうことになった。

 残り45分間の戦い方は非常に重要となったが、コンテ監督は流石である。2トップへの楔パスをかなり警戒していたトリノ守備陣の対応を見た指揮官は後半、シンプルに相手の背後を狙う戦い方へと変更し、クロスもトリノの守備陣形が整う前に素早く入れる。これを徹底した。実際、ショートパスの本数も前半と比べ、後半は30本近く減っているというデータが出ている。

 すると、これが功を奏し、インテルはゴールラッシュを見せる。

 48分にはシンプルなクロスをL・マルティネスが落とし、DFアシュリー・ヤングがゴール。直後の51分には、コーナーキックの流れからA・ヤングのフライパスをA・サンチェスが頭で落とし、最後はDFディエゴ・ゴディンがプッシュ。そして61分にはカウンターからL・マルティネスがゴールと、トリノの対策が整う前に勝負を決定づけたのだ。

 前半よりも手数をかけないシンプルな攻めを見せ、3得点を奪ったインテルはこのまま3-1で勝利。アタランタとラツィオを抜いて2位に浮上している。この位置をキープしてシーズンを締めたいところだ。

 また、『Opta』によると、この日CBのゴディンが得点を決めたことで、インテルの今シーズンのセリエAにおける得点者は、実に18人になったという。コンテ監督はトリノ戦の前日会見で「今季のインテルは一層得点者数が多い。理由は自分たちの攻撃をより予想不可能にするために多くの選手が相手ボックス内を埋めているからだ」とコメントしていたが、まさに指揮官の目指す攻撃的な姿勢と総合力の高さが、しっかりと表れているシーズンと言えるだろう。

違いを見せたエース

ラウタロ・マルティネス
【写真:Getty Images】

 久々の勝利を手に入れたインテルだが、もう一つ嬉しいニュースがあった。それは、ラウタロ・マルティネスが実に6戦ぶりとなるゴールを挙げたことだ。2トップのコンビを組んだA・サンチェスも素晴らしかったが、やはりエースがエースの仕事を果たすことができるチームは強い。

 L・マルティネスはこの日、1得点1アシストを記録した。同点弾の場面ではクロスに対し見事な動きを見せてA・ヤングのゴールをお膳立て。そして61分の場面では、カウンターから相手の股下を狙ってシュート。これが相手に当たったため少しラッキーな部分はあったが、GKサルバトーレ・シリグの頭上を見事に射抜いた。

 L・マルティネスはとにかくボールに合わせる技術が高い。身長は174cmと大柄ではないのだが、クロスやロングボールの落下地点を予測する素早さは世界でもトップクラスのものがあり、落下地点に一瞬で入るその動きは必然的に相手DFのマークを剥がすことにも繋がっている。同点弾の場面はまさにその能力が存分に発揮されており、完璧に相手DFを外してフリーでボールに合わせている。思い返せば、ゴディンのゴールに繋がったCKは、背番号10のヘディングシュートがあって得たものだった。

 また、「改めて」になるが、ボールを引き出す動きも着実に向上しているように思う。たとえば14分の場面では、斜めの動きを入れて相手DF二人を引き付け、MFロベルト・ガリアルディーニからのパスを引き取り、空けたスペースにA・サンチェスが侵入したことで、そこへボールを落とし、ゴディンのチャンスに結びついた。“ストライカーらしいエゴ”を持ちながらも、2トップの一角として何をすべきか冷静に判断できる。L・マルティネスの魅力は、ここにある。

 エースの得点はインテリスタ全員が待ち望んでいただろう。選手本人も一安心したのか、得点後のイキイキとしたプレーはかなり印象的だった。ここからL・マルティネスの調子がさらに上がっていけば、チームも多くの勝利を掴めるはずだ。

(文:小澤祐作)

【了】

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