バルセロナの背番号8は各駅停車…。快勝の裏で蚊帳の外、ペドリとデ・ヨングとは対照的に…【分析コラム】

ラ・リーガ第1節(延期分)、バルセロナ対エルチェが現地時間24日に行われ、3-0でバルセロナが勝利を収めた。2試合勝利がないバルセロナは前半をスコアレスで終えたが、選手を交代して臨んだ後半に3得点。ハーフタイムを経てバルセロナはどのように変わったのだろうか。(文:加藤健一)

2021年02月25日(Thu)10時23分配信

text by 加藤健一 photo Getty Images
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ライン間で躍動するメッシ

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【写真:Getty Images】

 快勝とは言い難い内容だが、勝ち点3を得られたことがバルセロナにとっては大きかった。ハーフタイムをスコアレスで終えたときは前節の引き分けが脳裏をよぎったが、後半に3点を奪って試合を決めている。

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 リオネル・メッシは3得点すべてに絡んでいる。先制点は48分。中盤でボールを受けてドリブルを開始。マルティン・ブライスワイトとのワンツーでDFラインを突破し、滑りながらゴールに流し込んだ。

 68分の2点目はペドリの守備から生まれた。ボールを奪ったペドリからパスを受けたフレンキー・デ・ヨングは相手選手の間をするすると抜けてゴール前へ。左足で折り返すと、ゴール中央で待っていたメッシが正確に決めた。

 その5分後に、試合を決定づける3点目が入った。左サイドから斜めにカットインするジョルディ・アルバが右サイドのメッシにパスを送る。メッシは敵を引き付けながらファーサイドにクロスを送ると、ブライスワイトが頭で折り返す。すると、ゴール前でフリーになっていたジョルディ・アルバが左足でゴールに流し込んだ。

「ライン間でレオ(メッシ)を探すことができれば非常に良い。そうなれば、相手はその代償を払うことになるだろう」

 ロベルト・クーマン監督の言葉通り、先制点と3点目はまさにライン間のメッシから生まれた得点だった。この日2得点のメッシは得点ランキングでもルイス・スアレスを離してトップに立っている。

修正が奏功したバルセロナ

 ハーフタイムの修正がすぐに結果として現れた。バルセロナは前節から5人を入れ替え、オスカル・ミンゲサ、サミュエル・ウンティティ、ミラレム・ピャニッチ、ブライスワイト、フランシス・トリンコンを起用。しかし、ピャニッチはハーフタイムに下げられ、ウスマン・デンベレが後半からピッチに立っている。

 バルセロナの中盤は逆三角形からペドリとデ・ヨングが並ぶ形に変わった。デンベレ、ブライスワイト、トリンコンが前線に並び、メッシはライン間を浮遊する。

 エルチェは4バックだが、右サイドハーフのシフがジョルディ・アルバを監視していた。ジョルディ・アルバが高い位置を取れば5バック気味にして対応する。前半は4対3ないしは5対4でエルチェが数的優位を保って危険なエリアを封じていた。

 しかし、バルセロナが布陣を変更したことで、バルセロナの前線4枚を4バックが同数で見なければならなくなった。中盤に降りてくるメッシにDFがついていけばスペースを空けることになってしまう。

「レオを10番から離れさせ、デンベレを入れて深さを作り、フィールドをこじ開けた」とクーマン監督は狙いを説明している。メッシは中盤で自由を謳歌し、ドリブルやクロスで得点を演出した。

 最終的にはメッシが違いを生む。バルセロナに必要なのはメッシをどのようにフリーにするかを考えることだった。

蚊帳の外となったピャニッチ

 快勝の裏で蚊帳の外となったのはピャニッチだった。3試合ぶりに先発メンバーに名を連ねたが、ハーフタイムで交代。各駅停車の横パスが目立ち、攻撃にリズムを生み出すことができなかった。

「前半で変えると、彼が悪かった前半の犯人のように見えるがそうではない」と指揮官がかばったように、システム変更の犠牲になっていたことは否めない。しかし、「彼はボールのリズムを改善しないといけないし、彼のポジションを理解しなければならない」と苦言も呈している。オランダ人指揮官が求めるアンカーの役割をこなせてなかったのは明らかだった。

 デ・ヨングとペドリのパフォーマンスが素晴らしいだけに、ピャニッチには物足りなさを感じる。ペドリは攻守の切り替えにおけるクオリティが高く、狭いエリアでもボールを失わない。「ペドリは賢いので複数のポジションをこなせる」と指揮官も称賛している。

 デ・ヨングはラインブレイクという唯一無二の特徴を持っている。2列目から上がってクロスに飛び込む動きは相手の対応を困難にし、2点目のアシストのようにドリブルで運ぶ推進力もある。

 ペドリとデ・ヨングとは対照的に、ピャニッチの置かれる立場は難しくなっている。デ・ヨングやペドリのように推進力やアタッキングサードでのクオリティはない。セルヒオ・ブスケッツように中盤の底からリズムを生むことができなければ、クーマン監督が起用をためらうのも無理はない。

(文:加藤健一)

【了】

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