フットボールチャンネル

完全無欠と書いてデ・ブライネと読む。世界最高峰の舞台で別格の輝き、敵MFも語るその危険性【欧州CL】

text by 編集部 photo by Getty Images

ケビン・デ・ブルイネ
【写真:Getty Images】

【マンチェスター・シティ 2-1 ドルトムント チャンピオンズリーグ準々決勝1stレグ】

【今シーズンのシティの試合はDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 チャンピオンズリーグ(CL)準々決勝1stレグ、マンチェスター・シティ対ドルトムントが現地時間6日にエティハド・スタジアムで行われ、2-1でホームチームが勝利している。

 ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるシティはスタート4-2-3-1だったが、攻撃時は左サイドバックのジョアン・カンセロが内側にポジショニングしてロドリと中盤底で並び、ダブルボランチの一角で先発したイルカイ・ギュンドアンが一つ前に出る3-2-4-1のような形に変化していた。

 前線の5枚はかなり流動的だったが、その中で最も輝いていたのがケビン・デ・ブライネである。チームとしてらしくないミスも見られた中、この男のパフォーマンスは相変わらず別格。プレイヤー・オブ・ザ・マッチに選出されている。

 19分、シティに先制点をもたらしたのはデ・ブライネだった。味方が中央でパスカットしカウンターが発動すると、背番号17はドリブルでDFを一枚剥がし数的優位を生み出す。そしてパスを流しペナルティーエリア内に侵入すると、最後は右サイドのリヤド・マフレズからラストパスを引き出し、冷静にゴールネットを揺らしている。

 その後もデ・ブライネは攻撃を活性化し続けていた。パス精度はもちろんのこと、ドリブル、ハーフスペースを突くランニングのどれもが高質。76分にはジュード・ベリンガム、マルコ・ロイスの両者にガツンと身体を当てられながらもボールを失わず、自らフィニッシュに持ち込む強さと巧さを示していた。

 ドロー決着と思われた試合終盤にチームを救ったのはフィル・フォーデンだったが、そこに至るまでの路を作ったのはデ・ブライネだ。結果的にフォーデンの得点をアシストすることになるギュンドアンの動きを見逃さず、利き足ではない左足で正確なボールを蹴り込んでいる。

 データサイト『Who Scored』によるデ・ブライネのスタッツはシュート数2本、キーパス2本、パス成功率88%、ドリブル成功数2回。それほど特別な成績と言えないのが事実だが、ピッチ上における存在感はこれらの数字以上のものがあったことは確かだ。

 UEFA公式サイトによると、UEFAテクニカル・オブザーバーのロベルト・マルティネスも試合後「デ・ブライネはゴールを決めたが、それ以上にボールを持っている時も持っていない時も、今夜のシティにおける全ての良いプレーの中心にいた」と背番号17を賞賛。続けて「彼はシティのプレーに目的を与え、常にエネルギッシュな攻撃で意図と脅威をもたらした」とも話している。

 また、ドルトムントのMFベリンガムは『BTスポーツ』に対し「デ・ブライネにペナルティーエリア周辺で多くの時間を与えてしまうと彼は得点できるし、僕たちにダメージを与えるクロスを入れてくる。(この試合で)実際そうなった」とベルギー代表MFの危険性について話している。

 まさに完全無欠なデ・ブライネ。シティが悲願のCL制覇を果たすために、やはりこの男の活躍は不可欠となる。

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top