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ラ・リーガの消えた逸材たち。天国から地獄へ…才能を開花させられなかった5人の選手

シリーズ:編集部フォーカス text by 編集部 photo by Getty Images

親の七光りだったのか?

エンツォ・ジダン
【写真:Getty Images】

エンツォ・ジダン(フランス)

生年月日:1995年3月24日
現所属クラブ:ロデーズAF(フランス2部)



 名前からも分かる通り、世界的名手ジネディーヌ・ジダンを父に持つサラブレッドだ。その父がレアル・マドリーの選手だった2004年に同クラブの下部組織に入団し、トップチームデビューも経験している。エンツォがBチームで初めて公式戦に出場した時、さらにトップチームでの初出場の時にも、ベンチには父ジネディーヌがいた。

 25歳になった今、下部組織時代に10番も背負った“ジダンの息子”はトップレベルに戻ってくる気配はない。マドリーでは正式なトップチーム昇格を果たせないまま2017年夏にアラベスへ放出されるも、ほとんど出番を得られず、わずか半年でスイス1部のローザンヌに新天地を求めることになる。

 スイスでプロになって初めて継続的な出場機会を得たエンツォは、2018/19シーズンに期限付き移籍でスペインへ戻り2部のラージョ・マヤダオンダに加入。そこでもシーズンを通して出場を重ねたが、無得点1アシストと結果を残せず、チームも3部に降格してしまった。

 2019/20シーズンはローザンヌからポルトガル1部アヴェスに完全移籍した。しかし、1部で最下位に沈むチームで定位置を確保できず再び壁に当たってしまう。冬の移籍市場では出番を求めて、元マドリーのグティ監督率いるスペイン2部アルメリアへ移るが、十分な出場機会を得られず無所属に。そして現在はフランス2部のロデーズAFに加入した。

 父ジネディーヌと同じくトップ下を主戦場とするテクニシャンのエンツォは、マドリーの器ではなかったのか。結局、トップチームデビューも親の七光りでしかなかったのか…。

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