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橋本拳人「1人ひとり何ができたのか、もう一度考えるべき」。快勝でも反省の言葉ばかりな理由は…

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

橋本拳人
【写真:田中伸弥】


 日本代表は7日、カタールワールドカップのアジア2次予選でタジキスタン代表と対戦し4-1の勝利を収めた。

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 すでに最終予選進出を決めていたこともあって、日本はスタメンを大きく入れ替えた。タジキスタン代表はグループ2位の難敵だったが、これまでの主力に代わってチャンスを得た選手たちの奮闘によって勝ち点3を積み上げることができた。

 しかし、選手たちの口からは反省の言葉が次々に出てきた。セントラルMFとして先発出場したMF橋本拳人は「自分のプレーを出せたかというと、手応えはそこまでないですし、改善点の方が多くあるなと正直、感じています」と語る。

 MF遠藤航がオーバーエイジ選手としてU-24日本代表にまわり、MF守田英正もベンチスタート。相方は国際Aマッチ2試合目の出場となったMF川辺駿だった。タジキスタン戦で11キャップ目となった橋本は、より経験豊富な選手として中盤をコントロールする立場になった。

「自分の良さも出しつつ、(川辺)駿の良さも出したいと思ってプレーしましたけど、入りはすこし固かったかなと思います。もう少し駿を前に出してあげて、彼を自由にプレーさせてあげるところは、もっともっと声を出してコミュニケーションを取ってやるべきだったと、今は感じます」

 橋本は自らが「ゴールを取れたことはもちろん良かった」というが、「ゴールを取ることは自分の仕事ではない」と強調する。

 そのうえで「前半は攻めあぐねていた時間帯もあったので、ボランチの位置だったり、もう少し前に厚みを持たせることはできた。試合中に修正しないといけない点はたくさんありました。そこは自分の課題かなと思っています」と反省しきりだった。

「個人的に言えば、もっともっと質とチャンスを作るところは改善しないといけない。もう少し、前半からうまく試合を運べたと思うので、チームとしても個人としても反省しないといけない点かなと思っています」

「もっともっと、チームにチャンスを作るようなパスだったり、自分の立ち位置を考えないといけないです。チームをうまく回すところが自分の課題なので、残り2試合ですけど、より意識を持ってやりたいと思います」

 そして、主力不在のなかでアジア2次予選初失点を喫してしまったことも、厳しく捉えている。「(6試合)連続無失点はみんなそこまで意識していなかった」が、「1点取ったあと、チームとして少し後ろに重くなったというか、攻撃でも守備でも後ろに重くなった」ことが失点を招いたと、橋本は考えている。6分に先制し、その約3分後に追いつかれてしまった展開はチームの停滞につながった。

「取り返せたのはチームとしてすごくよかったと思いますけど、最終予選や、もっと厳しい相手になると、失点はチームを難しくするので、1人ひとりが何ができたのか、もう一度考えるべきかなと思います」

 勝って兜の緒を締めよ。2次予選を突破することが目標ではなく、ワールドカップ出場の、その先を見据えていかなければならない。相手が強くなれば強くなるほど、1失点の重みはどんどん増していく。だからこそチームとしても個人としても失点を招いた原因を軽視せず、同じような失敗を繰り返さぬよう自分たちを見つめ直さなければならない。

 橋本の言葉からは日本代表の中心を担っていこうとする者としての自覚と責任が感じられた。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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