フットボールチャンネル

坂元達裕が繰り返した「足りない」。日本代表初先発でアシストも…直面した高い壁

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

坂元達裕
【写真:田中伸弥】


 日本代表は15日、カタールワールドカップ・アジア2次予選でキルギス代表に5-1の勝利を収めた。

【今シーズンの欧州サッカーはDAZNで!
いつでもどこでも簡単視聴。1ヶ月無料お試し実施中】


 この試合ではFWオナイウ阿道がハットトリックの大活躍。さらにMF坂元達裕も1アシストを記録し、A代表の公式戦で初先発となった2人が結果を残した。

 しかし、坂元は「足りない」という言葉を繰り返した。「押し込む時間が長い中で、自分は1対1で仕掛けられるタイミングがあったらどんどん仕掛けようと思っていて、そういう部分は大事にできた」と手応えもあるが、「まだまだゴールも取れたと思うし、チャンスもあったと思う」と満足できなかったのは結果に直接関わる部分だ。

「まだまだアピールが足りないと思いますし、ここからチーム(セレッソ大阪)に帰って結果を残してもっともっとアピールしないといけないと思います」

 坂元はキルギス戦の72分、左足のコーナーキックでDF佐々木翔のゴールを演出した。「とにかく点に関わりたい思いが強かったので、ゴールに直結するようなボールを意識して、あとは、中がうまく合わせてくれたのでよかった」とアシストは狙い通りだった。ただ、これも最低限の結果だ。

「カットインしてのクロスだったり、ゴールにはつながらなかったですけど、チャンスは作れたと思う。あとは、もっと中に切り込んでゴリゴリいくシーンを作れればよかったですけど、そこは今日できなかったので、次はもっともっと仕掛けていきたいなと思います」

 初めて日本代表合宿に参加し、海外組の選手たちとも練習や試合をする機会を得た。その中でA代表の強度に「練習の中で意識して徐々に慣れるというか、チームに合わせられるようになってきている」と坂元は言う。

 それでも「レベルが高くなるにつれてフィジカルの部分の強さも上がっていくと思いますし、倒れずにやり切るプレーが自分にはまだまだ足りない。そこは自分がトレーニングして強くなっていかないといけないと思います」と海外組の高い基準を目の当たりにした。これまで以上に高い壁が目の前に現れた。

 ドリブルで仕掛けることはできても、その先までは至らず。「目に見えるゴールが取れなかったので、そういう部分が一番大事」と、壁の先には「ゴール」という次の目標があった。

「やっぱり練習の中でもいろいろ勉強になる部分がありますし、(日本代表は)レベルが本当に高いので勉強になったと思います。試合の中で90分戦えたのは自信になりました」

 日本代表デビューと初アシストを記録した今回の6月シリーズでの「自信」と「足りない」部分を成長の糧にできれば、大きく成長した坂元の姿を見ることができそうだ。「足りない」はさらに強くなるための向上心の源泉となる。

(取材・文:舩木渉)

【了】

KANZENからのお知らせ

scroll top