デ・ブライネの45分に詰まった圧倒的なクオリティの高さ。なぜベルギー代表は逆転勝利できたのか?【ユーロ2020分析コラム】

2021年06月18日(Fri)10時48分配信

シリーズ:分析コラム
text by 加藤健一 photo Getty Images
Tags: , , , , , , , , , , , , , , , , ,

2得点が生まれた背景

ベルギー代表
【写真:Getty Images】



 1点目のシーンで、ルカクにダイレクトでパスを出したのはデ・ブライネだった。ルカクが右に流れて深さを作り、生まれたライン間のスペースでデ・ブライネがパスを受ける。マンマークでは対応しにくい状況を作り出していた。

 2点目は流れるようなパスワークだが、これはデンマーク代表の交代が関係している。61分にポウルセンを下げ、クリスティアン・ネルゴーアを入れて3-5-2に変更している。デンマーク代表は応急処置を施し、中盤を数的同数にしている。

 しかし、この時間帯には既にデンマーク代表の足が止まりかけていた。ベルギー代表のDF3人がボールを回すのに対し、デンマーク代表のFWは2枚。右のトビー・アルデルワイレルドはボールを持ったときに前線を見る余裕があった。DFラインの背後に走りこんだルカクはパスを受けて相手のDF陣を引き連れてサイドでキープ。手薄になったゴール前はスライドが間に合わず、デ・ブライネがフリーでゴールを決めた。

 デンマーク代表の交代によってベルギー代表は中盤の数的優位を消されたが、それによって生まれたDFラインの数的優位からチャンスを生み出した。精度の高いフィードが最終ラインから供給できるのも、このチームの強みである。勝利の立役者はデ・ブライネだが、他の選手のクオリティによってデ・ブライネが輝いたといってもいい。これは卵が先か鶏が先かの議論であって、見方の問題になる。

1 2 3 4

新着記事

↑top