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代表 3年前

スペイン代表は“最悪の事態“も…なぜ得点力不足に苦しむのか。気になるモラタと周囲の関係性【ユーロ2020分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

改善のヒントは…



 その点で見るとパブロ・サラビアの投入は効果的だった。左サイドからのクロスに対して背後から飛び込むことでスペースを作っていた。実際、スペイン代表は終盤に決定機を作っているが、サラビアの動きによってモラタが活かされた側面が大きい。初戦ではフェラン・トーレスがその役割をしていた。左はジョルディ・アルバがここに入り込めるので、右サイドはウイングにこういう選手がいるといい。

 スペイン代表は、新型コロナウイルスの影響でチームとしての準備期間がほとんどないまま大会に入ってしまった。右サイドはアトレティコ・マドリードのマルコス・ジョレンテとコケ、左サイドはバルセロナのペドリとジョルディ・アルバという既成のコンビネーションを使って応急処置を施しているが、前線の連係不足は否めない。

 第3節で対戦するスロバキア代表は、第1節でポーランド代表を倒している。勝てばグループステージ突破が決まるが、最悪の事態となることも十分にあり得る。スペイン代表の攻撃のクオリティがグループステージ突破を左右すると言っても過言ではない。

(文:加藤健一)

【了】

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