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堂安律はなぜ日本の「10番」に? 「本当に奇跡としか言いようがない」大舞台での重責と覚悟

text by 編集部 photo by Wataru Funaki

堂安律
【写真:舩木渉】


 U-24日本代表はまもなく開幕する東京五輪に向けて合宿を続けている。

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 連日の練習で抜群の存在感を発揮しているMF堂安律は、自国開催の五輪という大舞台で背番号「10」を託された。日本のエースナンバーを背負って悲願の金メダル獲得を目指す。

 これまで東京五輪世代の代表チームでは、三好康児が「10番」を着用することが多かった。しかし、6月の活動からは堂安が「10番」となり、大きな注目が集まっていた。

 なぜ大会直前のタイミングで堂安に「10番」が託されたのだろうか。監督の意向なのだろうか。森保一監督は背番号を決めるにあたってのプロセスについて、11日に行われたU-24ホンジュラス代表戦の前日記者会見で次のように明かした。

「背番号については私はノータッチです。選手たちと(チームの)マネージャーに話をしてもらって、一方的にこちらが決めるのではなくて、選手個々にもいろいろな思いもありますので、そういう話をつなぎながら決めてもらっています」

 どうやら森保監督が直接託したわけではないらしい。ただ、本人の強い希望があったわけでもないようだ。堂安は「10番」に決まった経緯について「あまり覚えていないです。10番と言われたので、『ありがとうございます』と言いました」と明かした。

 やや釈然としないところはあるが、堂安は自らが東京五輪で「10番」を着用することに対して運命的なものを感じているという。

「母国で五輪が開催されることは、僕が生きているうちにあるかないかわからないくらいの奇跡で、サッカーという競技においては世代という運も重なってこういう年齢でプレーできている。プラスで『10番』も着けられるというのは本当に奇跡としか言いようがないと思います」

 6月のU-24ガーナ代表戦やジャマイカ戦では、10番のユニフォームを着てゴールを挙げており、すでに「いいイメージがある」といい、「これからその番号が自分の成長を手助けしてくれるものになれば」と今後への期待も膨らませていた。

 堂安にとって日本代表の「10番」で大きな影響を受けたのは、香川真司だ。過去に着用してきた偉大な先輩たちの歴史の重みも感じながら「責任感もあるし、みなさんからの期待に応えられるように頑張るだけ」と東京五輪へ決意を固めていた。

 森保監督も「律は非常に向上心があって、いい意味で野心がある選手だと思います。自分とチームのために五輪を全力で戦ってもらって、チームの勝利に貢献し、大きな成果をあげるなかで力を発揮してもらいたい」と堂安に大きな期待を寄せる。

 本人は「たまたま渡された」と言うが、大学生との練習試合でも「10番」のビブスを着用するなど、すでに背番号へのこだわりも垣間見える。堂安はU-24日本代表の「10番」を超え、将来的にはA代表の「10番」も見据えているのかもしれない。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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