イタリア代表は悪夢から一変、なぜ優勝できたのか? イングランド代表を苦しめた理由【ユーロ2020決勝分析コラム】

2021年07月12日(Mon)11時33分配信

シリーズ:分析コラム
text by 小澤祐作 photo Getty Images
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UEFAユーロ2020(欧州選手権)・決勝戦、イタリア代表対イングランド代表が現地時間11日に行われ、PK戦の末3-2でイタリア代表が勝利。53年ぶり2回目の優勝を飾ることになった。2分で失点するなど悪夢のようなスタートを切ったアッズーリは、なぜ勝つことができたのだろうか。(文:小澤祐作)

相手の策に溺れたイタリア代表

イタリア代表
【写真:Getty Images】

 イタリア代表を率いるロベルト・マンチーニ監督にとっての想定外は、イングランド代表が3バックで臨んできたことかもしれない。それは、立ち上がりのバタつきを見ても明らかである。

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 53年ぶりの優勝を目指しウェンブリー・スタジアムに乗り込んだイタリア代表のスタートダッシュは最悪だった。2分という早い時間にカウンターを浴び、最後はルーク・ショーにゴールを献上。この大会でここまで1失点という堅守を誇る相手に先制点を与えるのは、致命的なことだった。

 その後もイタリア代表はイングランド代表を前に苦戦。中盤に下がってくるハリー・ケインを捕まえきれず、メイソン・マウントとラヒーム・スターリングのツーシャドーにはハーフスペースをうまく使われる。11分には、失点シーンと同じような形からピンチを招くなど、ガレス・サウスゲート監督の用意した策にまんまと溺れてしまっていた。

 20分過ぎあたりからイタリア代表は少し落ち着きを取り戻し、ボールを持つ時間を増やした。しかし、守備時5バックになるイングランド代表の壁は分厚く、敵陣で支配率を高めながらも深い位置に侵入できない。最前線のチーロ・インモービレは完全に存在感を失い、サイドにもしっかりと蓋をされてしまった。

 ボールを「持つ」というより「持たされた」という表現が正しいだろうか。イタリア代表は前半、支配率65%を記録しシュート6本を放ったが、そのほとんどが苦し紛れのもので、GKジョーダン・ピックフォードを少しヒヤリとさせたのはフェデリコ・キエーザの逆足シュートのみだった。

 一方、イングランド代表は前半でシュート1本のみに留まったが、とくに大きな問題はなかった。3バックシステムを採用し早い時間に先制点を奪取、そして無失点で後半へ。むしろ、プラン通りだったと言えるだろう。この時点で、イングランド代表が勝つと予想した人も多かったのではないだろうか。

 しかし後半、イタリア代表は試合内容を一変させることになる。

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