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代表 3年前

恩師が語るU-24スペイン代表の教え子たち。バルセロナ育ち、U-24日本代表戦で注目の5選手【コラム/東京五輪男子サッカー】

シリーズ:編集部フォーカス text by 舩木渉 photo by Getty Images

キック精度抜群な左サイドの司令塔

フアン・ミランダ
【写真:Getty Images】



フアン・ミランダ(DF/背番号20)
生年月日:2000年1月19日(21歳)
クラブ経歴:ベティス(2008〜2014)→バルセロナ(2014〜2019)→シャルケ(2019〜2020※期限付き移籍)→ベティス(2020〜)
東京五輪成績:2試合出場/0得点0アシスト

 私はミランダが17歳の頃に指導していました。彼のストロングポイントは、攻撃的なプレーであり、左足の正確なキックも持っています。そしてセットプレーのキックの質も非常に高かった選手で、バルサのようなスタイルではゲームを支配して、ずっと攻撃ができる展開になると、サイドで起点を作る局面ですごく活躍していました。バルサらしいプレースタイルが彼を象徴するところです。

 一方、改善しなければいけない点は守備面です。育成年代でも素晴らしい選手で、各年代のスペイン代表にもずっと選ばれていた選手ですが、そういう選手でもバルサのトップチームにたどり着いた時に、ジョルディ・アルバという偉大な選手と競争しなければいけない状況に置かれました。バルサのようなトップクラブだと完璧な選手であることが求められ、彼の1年目は特に守備面が足りず、ああいった状況(シャルケへの期限付き移籍)になったと思います。

 ミランダは体格的にはおそらくセンターバックもできると思いますが、彼はキャリアの95%をサイドバックでプレーしてきているので、彼の自然なポジションは左サイドバックだと思います。

 ちなみにバルサでは育成の時にいくつかのポジションをやらせています。特に若い年代で本職とは違うポジションでプレーをさせることによって、プレーの理解を助けることにもつながっていました。

 個々に育成の進み具合に違いもありますし、全ての選手が適正ポジションでプレーすべきだと思いますが、1つのポジションに特化した選手を育てると同時に「この選手は別のポジションもできるな」と感じた時に、違う役割で使って、さらにプレーへの理解を進めることを推進していました。その結果として、ミランダやミンゲサのような選手が育つわけです。

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