長谷川唯が語った「もっと理論的に」の真意。東京五輪8強敗退、なでしこジャパンの中心として抱く未来への覚悟【インタビュー】

2021年08月28日(Sat)10時30分配信

シリーズ:コラム
text by 舩木渉 photo Getty Images
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女子サッカーの変化。開き続ける世界との差

長谷川唯
【写真:舩木渉】



――長谷川選手は2017年からなでしこジャパンに招集されていますが、国際試合を数々こなす中で、海外のサッカーの変化をいつ頃から感じていましたか?

「チームによってですが、2019年のワールドカップの1年前か2年前くらいからですね。スペインは自分がアンダー世代の時から対戦していた監督がそのままA代表の監督になっていて、他国よりも少し早くポジショニングを大事にするサッカーをやっていた印象です。イングランドの選手たちがいいポジショニングを取っているなというのは、ワールドカップの1年前くらいから感じていました。

海外の選手がポジショニングを大事にするサッカーをしていない時は、守備だと複数人で奪うタイミングがあって、攻撃では技術で上回って1人かわして数的優位を作れる場面があったんです。ところが最近は特に自分たちが守備をするシーンで、ボールにしっかり当たりにいくタイミングもないくらい『間』に立たれていることが多くなりました」

――各ポジションの役割をしっかりと規定して、11人のチームとしての構造を作っていく戦術は男子サッカーで主流になってきました。欧米ではその流れが女子にもきています。日本の女子サッカーが世界の潮流に乗り遅れてしまった理由はなんだと考えますか?

「今までは技術的に日本が上回っていて、海外のチームがフィジカルやスピードを生かしてくるサッカーだけをやっていました。それが技術面を突き詰めれば自分たちは上にいけるだろうと考える流れになった要因だと思います。

私も含め、周りに海外の男子サッカーを見る選手は多かったですが、あくまで参考資料みたいな形が多いと思います。海外の女子サッカーを見るかと言われたら、視聴環境もあまり整っておらず、なかなか見る機会がないのが現状です。それでも海外挑戦の意思がある若い選手は、昔より多いと感じています。

なでしこリーガーには大学に通っている選手や、日中に仕事をしている選手も多く、時間などに余裕がない状態でサッカーをしていたのもあって、これまでは海外移籍が将来の選択肢に入らなかった選手がほとんどなのではないかと思います」

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