フットボールチャンネル

久保建英はなぜ評価されるのか? 「替えの利かない存在」、ビジャレアルが手を焼いたプレーとは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 加藤健一 photo by Getty Images

思わぬアクシデントと効果的だった修正



 久保の背後を守るパブロ・マフェオが左足を痛めてプレーを続けることができなくなった。さらに、マフェオに代わって入ったジョアン・サストレも、入って間もなくイエローカードをもらってしまう。マジョルカの右サイドの守備は難しい状況となった。

 ただ、ビジャレアルの攻撃も手詰まり感があった。

「最初の15分間はどうカバーすればいいのかわからなかったが、我々が同じメンバーでシステムを3度変更したことで試合は互角になった」

 ルイス・ガルシア監督が試合後にそう語ったように、マジョルカは守備を何度も修正している。4-4-2から4-5-1のブロックを敷く形に変え、久保は右の大外に立っていた。対面するエストゥピニャンが高い位置を取った際は、DFラインに吸収される形になっている。しかし、久保がサイドの低い位置に下がってしまうと、ボールを奪ってもカウンターに繋げられなかった。

 そこで久保は中盤のハーフスペースから外切りをする守備へとポジショニングを変えた。クーリングブレイクの直前に久保のいるサイドを崩されたが、修正を加えたその後の15分の方がうまく守れている。それでいて、久保が絡むことで攻撃に出るシーンを少し増やすことができた。

 ハーフスペースでマヌ・トリゲロスが仕事をするスペースを埋めつつ、大外を走るエストゥピニャンへのパスコースを切る。簡単な仕事ではないが、これをかなりの精度でこなしていた久保の貢献度は計り知れない。

1 2 3 4

KANZENからのお知らせ

scroll top