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セリエA 3年前

ユベントスはミランにも…。60年ぶり異常事態を抜け出すには? 脱ロナウドに大苦戦で迫られる方針転換【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

絶対的エース退団で失ったもの



 ところが今夏、そのロナウドが突然マンチェスター・ユナイテッドへ移籍してしまう。移籍市場閉幕間際の絶対的エース退団に慌てたユベントスは、かつて所属していたFWモイーズ・ケーンを期限付き移籍で復帰させるのが精一杯。

 いまのところ年間20得点以上を保証してくれるポルトガル代表FWの穴を埋められていない。リーグ戦でロナウドが決めた29得点を単純に引いて昨季の成績に当てはめると、ユベントスは48得点38失点という極めて凡なチームになってしまう。

 ロナウドの得点力を個の能力で補うことはできず、複数の選手、あるいは組織として補わなければならない。とはいえその準備が整っているとは言い難い今、ユベントスが取り組むべきは守備面の整備に他ならない。

 いくらゴールを奪われても、それ以上の数を奪い返せばいいという発想でチームを作っていては前に進めないだろう。これまで個人能力に頼りがちで多少雑でも目をつむってきた守備組織にメスを入れ、できるだけ失点を減らし、ロースコアでもしぶとく勝ち切るチームに大きく舵を切っていく必要がある。

 マッシミリアーノ・アッレグリ監督には発想の転換が求められるだろう。ミラン戦を終えたユベントスの指揮官は「私は交代策を間違えたことを認める。もっと守備的な選手を入れて、1-0のリードを守りきるべきだった。間違いの責任は私が負う」と語った。

 1点リードで推移していた後半、アッレグリ監督は66分にモラタを下げてケーンを投入。その後、72分にはMFフアン・クアドラードに代えてフェデリコ・キエーザを送り出し、サイドの活性化を図る。そして79分、FWパウロ・ディバラを下げ、FWデヤン・クルゼフスキを起用した。

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