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冨安健洋は自己最悪…アーセナル加入後ワーストだったスタッツ。ブライトンに突かれた課題とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

冨安がククレジャに大苦戦した理由とは


 加入後4試合連続で、右SBで先発出場した冨安健洋。これまで出場した試合では安定感のある守備を披露しており、そのポジションは既に不動のものとなっている。

 しかし、今節ブライトン戦は対峙した左WBのマルク・ククレジャに大苦戦を強いられた。

 今節も出足の良いインターセプトからカウンターに繋がる良い守備もあったのだが、前節トッテナム戦同様に数的優位を作られた時の背後へのケアは課題だ。前への意識が強すぎるため、簡単に裏を取られる場面が目立った。

 3バックのシステムを採用しているブライトンは両WBで幅を取り、中盤の選手、もしくは最前線の選手が降りてきてワイドで数的優位を作ってチャンスを作り出している。今節の場合は中盤のアダム・ララーナやレアンドロ・トロサールが、冨安のサイドで攻撃に加わることで数的優位の状況を作り出し、ククレジャを裏に走らせることで多くのチャンスを作っていた。
 
 データサイト『SofaScore』によると、ククレジャは両チーム最多の4つのラストパスを記録。冨安からタックルでボールを奪う場面もみられ、地上戦も6戦5勝と高いスタッツを残した。

 一方の冨安は地上戦で2戦0勝、空中戦で4戦1勝と、これまで無類の強さを誇っていたデュエルの勝率でも低い結果に留まった。データから見てもククレジャに苦戦したのは明らかで、これまで高評価だった現地メディアの評価も厳しいものとなっている。

 英メディア『90min』は「ブライトンの活発なククレジャに踊らされ、アーセナル加入以降、最も刺激の少ないプレーだった」と厳しい評価を与えている。

 前節トッテナム戦の最終盤同様に、自らのサイドで数的優位を作られて自身の背後を狙われる場面が目立った冨安。10月の代表ウィークで一時的にチームを離れるが、自身の裏のスペースを周りの選手と連係しながら、どのようにケアをするのか再確認する必要があるだろう。

(文:安洋一郎)
【了】

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