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「マンUはC・ロナウドがいないとダメ」ではなく…。繰り返し見せる悪癖が修正される気配は…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

ロナウドなしで奪った先制点



 攻撃面では、ライン間にポジションを取り、またはボックスの周囲を広く動くカバーニにボールを入れて組み立てようとする。しかし、連係面が乏しく、連動性を発揮してエバートンのゴールに迫ることができない。フレッシュな顔ぶれでは仕方がないところもあるが、そこに新加入の選手はおらず、昨季も共にプレーしたメンバーである。

 21分、カバーニの絶妙なポジショニングでフレッジのクロスから決定機を迎えたが、このようなチャンスをもう少し演出できてもよかったのではないか。もちろんエバートンの守備ブロックがしっかりしていたという側面はある。しかしマンUの攻撃は、マンチェスター・シティやリバプール、チェルシーに比べるとシステマティックさ欠け、どこか行き当たりばったりのところがあった。

 それでも先制に成功したのは、“赤い悪魔”だった。43分、ライン間でパスを受けたブルーノ・フェルナンデスが、ボックスの左にボールを転がす。そこに走り込んできたマルシャルが右足で決め切った。

 フェルナンデスの個の力に頼ったような得点だったが、ロナウドがいなくともゴールを奪ったことは大きかったかもしれない。タイトル獲得を狙うのであれば、36歳のポルトガル代表FWの“魔法”に頼るばかりでは、この先どこかでチームとして限界を迎えることになるだろう。

 しかし、マンUは勝ち切ることはできなかった。57分にロナウドが投入されたにもかかわらず、追加点を奪えず。65分にエバートンに同点に追い付かれ、最後まで2点目を奪うことはできなかった。

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