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リバプールが突いたマンCの穴とは? クロップ采配は的中、サラーを躍動させた方法は…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

クロップの采配でエースが躍動



 ボールを保持され、主導権を握られていたこの試合でリバプールは後半に戦術を変えたことでモハメド・サラーが躍動。少ないチャンスをものにし、再三リードする試合展開に持ち込んだ。

 いつものようなサディオ・マネとサラーの裏を狙った攻撃は完全に対応され、前半に放ったシュートはサラーの1本のみ。ゴール前までボールを運ぶもほとんど決定機を作れず、再三チャンスを作られた。

 しかし、後半に入ると戦術を変更。右サイドのサラーにボールを集め、ビルドアップや攻撃時に様々な場所に顔を出すジョアン・カンセロの穴を狙った戦術がハマり、57分にはサラーからカンセロの穴に走り込んだマネへのスルーパスから先制点を決めた。

 2点目についてはサラーの個人技によるところが大きいが、マンチェスター・シティのDFラインの中で一番守備の強度が劣る左サイドを切り崩しての得点と見れば、戦術が刺さったともいえるだろう。

 相手のウィークポイントを突く戦術変更でボールが集まったサラーは、後半に1ゴール1アシスト。シュートも前半の1本から後半は5本に増え、ユルゲン・クロップ監督の采配に応える活躍でリバプールは勝利目前まで迫った。

 だが、前節に続き試合終盤に追い付かれての同点。勝利目前で勝ち点3を逃す結果となった。

 強豪クラブが多く在籍するプレミアリーグで優勝するには、こういった試合で確実に勝ち点3を獲得する必要がある。攻撃面では試合中に改善が見られたが、それ以上により終盤に失点する守備の改善が必要だ。

 それはクロップの戦術や采配によって改善されるのか、それともイブラヒム・コナテの台頭で改善されるのか。リーグ戦はまだ始まったばかり、昨季からほとんどメンバーの変わらないリバプールの真価が問われるだろう。

(文:阿部勝教)

【了】

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