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レアル・マドリードには何が欠けているのか? 攻撃陣沈黙で無得点、なぜ勝てなかったのか…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

 

エル・ブランコに欠けているピースは…



 カルロ・アンチェロッティ監督が率いるチームには、これまで必ずチームの中心となるテクニカルな選手がいた。

 ACミランではカカ、2013年から指揮したレアル・マドリードにはイスコ、昨季率いたエバートンでもハメス・ロドリゲスと、相手に違いをもたらし、攻撃を牽引する10番タイプの選手を起用してきた。

 現在のレアル・マドリードに欠けているのは、まさにそれだろう。

 前回同クラブを率いた際の中心選手、イスコがまだ在籍しているが、現在は負傷により欠場。エデン・アザールは同クラブに加入以降、度重なる負傷やコンディションの不良で全盛期の輝きは完全に失われている。ルカ・モドリッチがこの役割を担うこともできるだろうが、どちらかと言えば、彼は中盤を支える8番タイプの選手だ。

 現状はカリム・ベンゼマがリーグ戦10試合9得点7アシストと、全24得点中16点に関与する活躍を見せているが、シーズン通してこれを要求することは難しい。だが、先述したような選手がいれば、ベンゼマはより得点を伸ばしていくはずだ。

 ヴィニシウス・ジュニオールも目覚ましい活躍を見せ、チームの中心になりつつあるが、まだプレーには波がある。重要な選手であることは間違いないが、今はこの選手にクラブを背負わせるより、伸び伸びプレーさせる方がいいだろう。

 イスコが復帰すればすぐにでも出番が回ってくると思うが、以前のような活躍を見せられるかはわからない。同選手を復活させるのか、それとも今冬に新たな選手を獲得するのか。リーグ王座奪還を目指す同クラブは、冬の移籍市場までに答えを出す必要があるだろう。

(文:阿部勝教)

【了】

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