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古橋亨梧にもはや敵なし。年間30得点はほぼ確実、あの大レジェンドも激賞「セルティックの成功の大部分はキョウゴ」【コラム】

シリーズ:コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

誰からも愛される人間性

古橋亨梧
【写真:Getty Images】



 セルティックのファン・サポーターは今季に入って、新しいチャント(応援歌)を歌っている。そのうちの1曲の歌詞を日本語に訳すと次のようになる。

「俺たちはアバダを手に入れ、彼はウィングにいる

俺たちはキョウゴを手に入れ、彼は彼のすべきことをする

アンジェは俺たちのリーダーで、俺たちは世界のどこでもセルティックを応援する」

 この曲に出てくるリエル・アバダはイスラエル出身のウィンガーで、古橋とポステコグルー監督は日本からやってきたアジア人。いずれも今季新たにセルティックへやってきた人材でもある。

 スコットランド人から見て“外の世界”からやってきた3人は最初こそ疑念を持って迎えられただろうが、こうしてチャントが作られているのは信頼の証だ。加入後すぐにセルティックに貢献する姿を見せたことは、ある意味で現地のファン・サポーターにとって“サプライズ”だったのかもしれない。

 しかし、ポステコグルー監督は「おそらく私がスコットランドでキョウゴの能力に最も驚いていない人間だと思う。なぜなら直接彼のことを見てきたから。彼の活躍を大いに喜んでいるし、これからもっともっとゴールを決めてくれるはずだ」と語る。

 Jリーグ時代から古橋のことを知る指揮官からの信頼は、相当に厚いもののようだ。そして、チームメイトたちからもエースとして受け入れられつつある。

 セルティックの右サイドバックで主力に定着したDFアンソニー・ラルストンは、ダンディーFC戦後のインタビューで古橋について次のように語った。

「彼は通訳を連れているけど、英語も上達してきているし、チームメイトともうまくやっている。毎日の練習で僕らの周りにいるしね。もちろん言葉の壁はあるけど、僕たちも彼と同じように努力しているよ。話の内容はほとんどサッカーのことだね。彼は今日も本当に素晴らしかったし、僕も活躍ぶりを嬉しく思っている」

 ハロウィーンに合わせた『セルティックTV』の企画で、仮装をした古橋が別の撮影をしているチームメイトを背後から驚かせるという企画があった。結果的にほとんどの選手が驚かず、微笑ましい企画になったのだが、最後の最後で古橋の登場に最もビビっていたのがラルストンだった。「キョウゴは僕を元気にしてくれたよ」とピッチ外での関係性の良さがうかがえるエピソードだ。

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