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アーセナル、急造SBが冨安健洋の穴を埋めた。緊急事態で得た大きな収穫とは…【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 安洋一郎 photo by Getty Images

冨安不在の穴を埋めたのは…


 前述した通り、今節アーセナルは冨安健洋、セドリック・ソアレス、エインズリー・メイトランド=ナイルズ、カラム・チェンバースが新型コロナウイルス陽性のためメンバー外となっており、選手層が厚いはずだった右SBの選手の多くが欠場した。

 この状況でミケル・アルテタ監督は、これまでCBでプレーしていたベン・ホワイトを右SBで起用し、ロブ・ホールディングをホワイトの代わりに右CBで起用することで彼ら不在の穴を埋めた。

 前所属のブライトンでホワイトは右SBや右WBでプレーした経験があり、恐らく緊急的な右SBでの起用だったのにも関わらず、スムーズに試合に入ることが出来ていた。

 ホワイトはCBでプレーした時でも相手の隙を見て前線に持ち運ぶことが多く、右SBで起用されたとしても同じようにプレーした。冨安ほどのスピードがあるわけではないが、しっかりとした足下の技術があるため、失点に繋がりかねない不用意なボールロストもなかった。また、守備でも安定したパフォーマンスを披露し、インターセプト数2とタックル数3はチームトップのスタッツだった。

 右CBホワイト、右SB冨安健洋というのがベストメンバーであることに変わりはないが、ホワイトが右SBでも十分に計算できるということがわかったのは、今節に得た大きな収穫だろう。

 本来の日程であれば、アーセナルは中1日でウォルバーハンプトン(ウルブス)戦が控えていたが、ウルブスのチーム内で新型コロナウイルスの陽性者が多数発生しているとのことでこの試合が延期に。これにより今節が年内最終戦となり、次節は1月1日のマンチェスター・シティ戦となった。

 シティのホーム、エティハド・スタジアムに乗り込んだ第3節では、試合を通じてシュート1本に終わり、0-5の完敗を喫した。冨安ら新型コロナウイルスで陽性反応を示している選手が復帰できるかどうかの可否はわからないが、”あの頃”から大きく成長した姿を次節みせたいところだ。

(文:安洋一郎)

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