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マンチェスター・シティは格が違った。チェルシーを圧倒、攻撃にスイッチを入れていた男とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

格の差を見せつけたグアルディオラの戦術



 前述したマンチェスター・シティの4-3-3に対し、チェルシーは3-4-2-1を採用。アフリカネーションズカップ参加のためチームを離脱しているエドゥアール・メンディの代わりにケパ・アリサバラガを起用し、1トップのロメル・ルカクの下にクリスチャン・プリシッチとハキム・ツィエクを置く布陣で乗り込んできた。

 基本配置では中盤が数的不利となるホームチームは、タイミングを見てフィル・フォーデンが下りてくることで同数に。サイドから攻撃を仕掛ける際にはインサイドハーフがDFの裏へ飛び出したり、サイドライン際まで出ることで数的優位を作っていた。

 ピッチ中央に止まるロドリを起点に流動的にポジションを変え、アタッキングサードでは速いテンポでパスを回すことでゾーンで守る相手DFを翻弄。ボールを失ったとしても数的優位を作っているため、瞬時に相手選手を囲い、ボールを奪取できていた。

 攻撃と同時に守備の準備までしていたことで、前半のチェルシーはほとんど何も出来ていなかった。それは「シュート0」という数字が物語っている。

 後半も前半同様に攻め立てたマンチェスター・シティは70分に先制。ケヴィン・デ・ブライネがピッチ中央でプレスに出たエンゴロ・カンテの背後を取り、左サイドから中に切り込んでゴール右へ見事なコントロールシュートを突き刺した。

 先制後の試合運びも完璧だった。

 反撃に出るチェルシーの攻撃には、フォーデンを最前線に残して9人で対応。DFラインでボールを回されたときは3トップが前線からプレスをかけ、ボールを奪取すると少人数でカウンターを仕掛けるか、最大限時間を使って攻撃を展開し、試合をコントロールしていた。

 主導権を一切渡さず、先制後はチェルシーのシュートを0に抑えて完封勝利を収めた。

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