谷口彰悟が示した「国内チャンピオンの主将」としての矜持。サッカー日本代表を救った影のヒーローに【W杯アジア最終予選】

2022年02月02日(Wed)10時10分配信

photo Shinya Tanaka
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谷口彰悟
【写真:田中伸弥】



 サッカー日本代表は1日、カタールワールドカップのアジア最終予選でサウジアラビア代表に2-0の勝利を収めた。

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 4試合連続ゴールで日本代表を勝利に導いたMF伊東純也らの活躍ぶりに目がいきがちだが、先月27日の中国代表戦も含めた2連戦で見逃せないのはセンターバック2人のパフォーマンスだ。

 怪我のため不在だったDF吉田麻也とDF冨安健洋の穴を誰が埋めるのか注目された中、チャンスをつかんだのはDF板倉滉とDF谷口彰悟だった。川崎フロンターレでも共にプレーした経験を持つ2人は2試合連続で無失点に抑えて連勝に大きく貢献した。

 特に谷口は今回の2連戦でピッチに立った選手たちの中で、海外でのプレー経験を持っていない唯一の国内組。30歳にしてアジア最終予選デビューを飾り、Jリーグの選手が代表の舞台でも輝けることを存分に証明した。しかも、もし負ければワールドカップ出場が遠のく計り知れない重圧がのしかかる中で。

 サウジアラビア戦前日のオンライン取材において「国内組が日本代表に入っていくことの意義」を問われた谷口は、次のように語っていた。

「今は国内組と海外組とで分けて見られることは多いですし、やっぱり国内組が少ないとか海外組が多いとか言われます。ただ、力があれば間違いなく代表に入ってくる。海外にいるから代表に入りやすいとか、国内でやっていたら入りづらいとかは、そんなにないんじゃないかなと僕自身は思っています」

 海外組が大半を占めるようになった日本代表において、国内組が割って入る隙間は年々小さくなってきている。現在のチームで主力を担っている国内組も、多くが最近まで欧州リーグでプレーしていた選手たちだ。

「代表って国際試合なので、他の国と対峙することしかない。そういう意味で海外でやっている方が、慣れなどアドバンテージはあるかもしれないですけど、国内でやっていても、キチンとしたパフォーマンスを発揮していればチャンスはあると思っています。

今は国内クラブ、チャンピオンクラブのキャプテンとしてのプライドはありますし、『自分もできるんだぞ』というのを結果で証明していかないといけない。その気持ちはもちろん強く持っています」

 谷口は「やっている僕らは国内組と海外組と分けて考えていないのが正直なところ」とも述べたが、それでも外部からは両者を分けて見てしまいがちになる。そして、海外でプレーしている選手が大半を占める現状もあって、どうしても国内組を下に見てしまう傾向もあるだろう。

 そんな現状を打破すべく、谷口はもがき続けてきた。今回の中国戦とサウジアラビア戦で、ようやくその努力が報われてチャンスが訪れ、結果で「国内」と「海外」に遜色がないことを証明したのである。

「僕自身が代表に入り出したのは昨年くらいからで、そんなに経験のある方ではありませんでした。何なら『どうしたら呼ばれるんだろう…』と思ってやってきた方です。まずクラブで結果を残して、いいパフォーマンスをして、代表に呼ばれるためにもっと何かを変えていかないといけないのか、もっと何かをやらないといけないと呼ばれないのか、ずっともがいてきたというか、試行錯誤しながらやってきた自負はある。

代表に入る、代表で試合に出ることを目標にやり続けてきて、Jリーグを戦いながらも代表として世界と戦うことを基準にやってきたつもりではいます。国内の選手たちもJリーグで満足するのではなく、代表に入りたいし、ACLなどで世界のクラブや国と戦える場はたくさんある。そういう意識や志を持ちながらやると、国内でもしっかり成長できるというか、飛び抜けた存在になっていけるのではないかと思います」

 1月中旬に行われた国内組を集めての日本代表合宿から、アジア最終予選のメンバーに「生き残った」と言えるのは谷口とDF中谷進之介の2人だけだった。候補になっている選手は他にも数多くおり、彼らにとって谷口の活躍ぶりは大きな希望や刺激になったはずだ。

 これまで森保ジャパンでは吉田と冨安がセンターバックで絶対的な地位を築いており、彼らを外して戦うことに不安があったのは事実だろう。だが、不動の2人を頼れない状況になった今回の2試合で板倉や谷口が安定したパフォーマンスを披露したことで、その不安は完全に解消された。

「プライドとか総合力を示せればと思いますけど、それも結果を出さないことには始まらない。どれだけいいサッカーをしようが、引き分けだったり、負けてしまっては話にならない。とにかく勝たないといけない試合なので、そこに全力を尽くして戦いたい。そのために自分ができること、戦いを見せながら、証明しながらやっていく。とにかく勝つことを目指してやっていきたい」

 サウジアラビア戦の前にそう語っていた谷口は、言葉通りの活躍で期待に応えた。実質的にセンターバックの選手層が厚くなったことは、カタールワールドカップ出場権獲得やその後に向けて日本代表を強く後押しするはずだ。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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