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サッカー日本代表、なぜGKを4人招集? アウェイ・オーストラリア戦だからこその特殊な事情

text by 編集部 photo by Getty Images

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シュミット・ダニエル
【写真:Getty Images】



森保一監督、なぜGKを4人招集?

 日本サッカー協会(JFA)は16日、最新のサッカー日本代表メンバーを発表した。



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 今月24日に行われるカタールワールドカップアジア最終予選のオーストラリア代表戦と、同29日に開催されるベトナム代表戦に向けて27選手が招集された。森保一監督は以前から今回の2連戦に向けて通常の23人よりも多くの選手を招集する意向を示しており、その通りのメンバー選考になった。

 もし23人を選ぶなら、GK3人とフィールドプレーヤー20人が原則だが、今回は違った構成になっている。特に目を引くのは4人のGKだ。

 森保一監督はアジア最終予選を通じてゴールを守っている権田修一のほか、川島永嗣、シュミット・ダニエル、谷晃生の4人をオーストラリア戦に向けた日本代表メンバーに含めた。試合に出場する、あるいはベンチ入りするGKは通常3人までなので、必然的に1人はベンチ外となる。

 したがって「GKを余分に呼ぶより、その枠をフィールドプレーヤーに使うべき」という考え方もあるだろう。だが、今回に限っては4人のGKをメンバーに入れておく必要があった。森保監督は次のように説明する。

「これまでの代表活動の中で、今回の4人は多くの機会で招集させてもらっており、代表としての力を持っていることが大前提です。加えて今回は川島とシュミットが、(オーストラリア戦)前々日の夜など試合直前の合流になってしまうので、コンディションしだいで(チームと一緒に)練習する機会が1回あるかどうか(になってしまいます)。

それまでも(チーム)練習の機会がある中、(川島とシュミットを除いた)GK1人体制で過剰な負荷がかかるよりも、権田と谷の2人でトレーニングできるということと、GKの2人を使いながらのコンディショントレーニング、戦術的なトレーニングができることも加味して招集させてもらいました」

 フランス1部のストラスブールに所属する川島は、日本時間20日23時(現地20日15時)開始のロリアン戦に出場する可能性がある。ベルギー1部のシント=トロイデンVVに所属するシュミットは、日本時間21日5時(現地20日21時)開始のベールスホット戦で先発起用されることが濃厚だ。

 彼らは試合後にすぐ飛び立っても、欧州から約1日かかる長距離移動を経てオーストラリアに到着するのは22日になってしまうだろう。一般の旅客便を利用しての移動になるため、どんなトラブルがあってもおかしくない。

 一方で国内組の権田と谷は19日にJリーグでの試合を終えて、その日のうちに日本を出発。20日から現地でトレーニングを開始できる予定になっている。もし谷を選んでいなければ、しばらくGK1人でチーム練習を組まなければならないし、負傷や新型コロナウイルスなどがチームに与える影響も計り知れない。

 反町康治技術委員長は「ヨーロッパのリーグは土曜日、日曜日(の試合)がほぼでして、それが終わってから今回は個別にオーストラリアに入る形になっています。試合前々日(22日)にはほとんどの選手が間に合う計算でいます」と明かしていた。

 GKを4人招集したのはリスク回避のために他ならない。もしベンチ外になっても腐らず、積極的にチームのサポートへ回ることのできるメンタリティの持ち主が揃っているのも、森保監督の決断を後押ししただろう。

 カタールワールドカップ出場権獲得がかかるオーストラリア戦は、まさしくチームの総力を結集して臨む一大決戦なのである。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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