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日本代表 2年前

勝負を決めた三笘薫の成長とは? サッカー日本代表は「危うい状態」から「本来あるべき展開」へ【西部の目】

シリーズ:西部の目 text by 西部謙司 photo by Getty Images

「危うい状態」から「本来あるべき展開」



 浅野を中心に簡単に裏のスペースへ入ることができたために、攻撃速度が上がってしまった。縦へのスイッチを入れていたのが主にキャプテンの吉田麻也や遠藤航だったことを考えると、これまでの試合で展開してきた膠着も実は意図したものではなく、膠着しやすい先発メンバーを選んだために自然とそうなっていただけなのかもしれない。

 いずれにせよ、日本代表は不必要にギアを上げ、試合のテンポを上げる危うい状態で前半を終えることになった。

 後半も立ち上がりは落ち着かない。浅野へロングパスを出して失い、相手ボールにハイプレスするがロングキックでひっくり返される。セカンドボールは長身揃いのオーストラリア代表に有利、そしてシュートまで持っていかれる。

 60分あたりまではそんな調子だったが、守田英正がボールをキープしながらペースダウンを促すジェスチャーをしたあたりから、ようやく本来あるべき試合展開になっていった。

 4-5-1で守備をセットして隙を与えず、攻めても時間を使って押し込み切る。押し込んでしまえば相手の反撃の芽を摘むこともできる。このまま0-0で終わればミッション達成だったが、84分に南野に代わって登場した三笘の2ゴールで予選突破が決まった。

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