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川島永嗣「GKとして責任を感じる」。悔やむ1失点、サッカー日本代表に警鐘「安心している暇はない」【W杯アジア最終予選】

text by 編集部 photo by Getty Images

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川島永嗣
【写真:Getty Images】



川島永嗣、9ヶ月ぶりの日本代表戦出場

【日本 1-1 ベトナム カタールW杯アジア最終予選】

 カタールワールドカップアジア最終予選の最終戦が29日に行われ、サッカー日本代表はベトナム代表と1-1で引き分けた。



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 ベトナムに許したシュートは前後半合わせて1本だけ。しかし、その「1本」が1点となり、日本代表を苦しめた。20分、コーナーキックにDFグエン・タイン・ビンが頭で合わせてゴールネットを揺らし、ベトナムが先制したのである。

 日本は試合終了までに23本のシュートを放ったが、ゴールの枠を捉えられないことが多く、最終的に反撃は1点止まり。敵地オーストラリアでワールドカップ出場を決めて臨んだ凱旋試合は、後味の悪いドローとなってしまった。

 昨年6月に行われたカタールワールドカップアジア2次予選のキルギス戦以来、約9ヶ月ぶりにゴールマウスを守ったGK川島永嗣は「チームのメンバーが変わった中で、後ろからどう支えていけるのかが自分の役割だった」と痛恨のドローを悔やんだ。

 日本代表は24日のオーストラリア戦からスタメンを9人変更。ワールドカップ本大会に向けた新たな競争の始まりと位置づける一戦でチャンスを得た選手の1人が、ベテランGK川島だった。

 だが、「うまくいかない時間帯でチームを支えきれなかった」と反省の弁を述べる。そして「難しい展開だったと思いますけど、前がなかなか点が取れない時に、後ろが耐えなければいけない。そういったところはGKとして責任を感じます」と語り、自らのパフォーマンスに納得していないようだった。

 川島は2010年の南アフリカワールドカップから3大会連続で日本のゴールを預かってきた、歴戦の守護神だ。今回のアジア予選ではGK権田修一が継続的に起用されていたため出番は限定的だったが、相変わらずピッチ内外での影響力は抜群。その背中で仲間たちを引っ張り、チームにとって不可欠な存在であり続けている。

 とはいえ、カタールワールドカップ本大会でのメンバー入りに向けた新たな競争の中では、川島とて決して安泰ではない。もちろん4大会連続でのワールドカップ出場を諦めておらず、「ここからが本当の戦い」と自覚してもいる。

「今日の試合もそうですけど、GKとしては、まず当たり前のことを当たり前にやらなければいけないというのはあります。(ワールドカップで)勝ち上がっていくためにGKの力はチームにとって重要な役割だと思いますし、チームが厳しい時にどれだけ後ろで支えられるかという部分は一番大きいと思うので。

そういった意味で、『やられても仕方ない』と言うのはいつでも簡単ですけど、そういうシーンの中でも、どれだけGKがその役割をこなせるのか。その可能性を少しでも上げていけるようにやっていきたいと思います」

 個人として再びポジションを奪うための準備を怠らないのは当たり前。そのうえで川島は自身の豊富な経験を踏まえて日本代表のチーム全体を見渡しながら、ワールドカップ本大会での戦いに向けて必要になることも冷静に見つめていた。

「どこのチームもそうですけど、時間がないのが一番だと思います。ここでワールドカップを決めることができて、安心している暇はないですし、ワールドカップに向けて、今日も含めて試合数は限られている。そういうところで自分たちが、ゲームの中でどのプランを持って、どういうクオリティでプレーしているのか、課題を持ってやっていかないといけない。

もちろん自分たちが、例えば今日の後半のように自信を持ってやれる部分もあると思いますけど、(ワールドカップは)また違った相手になってくるので、その中でどういう質を持って臨んでいけるのかというのは、残された時間の中でハッキリさせていかないといけないかなと思います」

 日本代表がワールドカップに向けて活動できる国際Aマッチウィークは、あと2回。その中で国際親善試合が6試合行われる見込みとなっている。限られた準備時間の中で、ベトナム戦の引き分けを払拭するような成長を見せられるか。

 結果は好ましくないものだが、もう一度自分たちの足元を見つめ直すためには必要なドローだったのかもしれない。カタールワールドカップ本大会が終わった時に、そう言えることを願っている。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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