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バルセロナ、「変則4-3-3」でセビージャを攻略。難敵を沈黙させ、長所を最大限活かした方法とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

シャビ監督が採用した変則的な4-3-3



 この試合にバルセロナはいつも通りの4-3-3で臨んだ。だが、シャビ・エルナンデス監督が採用したフォーメーションは変則的ものだった。

 セビージャは攻撃時にサイドハーフが内側に入り、空いたスペースにサイドバックが積極的にオーバーラップを仕掛ける。両サイドバックが同時に上がってくるため、4バックでは5対4の構図を作られ、マークが足りなくなってしまう。

 これに対し、バルセロナは守備時に5-4-1へ変更。左ウイングのフェラン・トーレスが最終ラインに、右ウイングのウスマン・デンベレが2列目に入り、9人で守備網を敷いた。この守備により、バルセロナはいかなる局面でも数的優位、少なくとも同数で相手の攻撃に対応できていた。

 24分の場面がわかりやすいだろう。セビージャは敵陣でボールを回したが、バルセロナは常に同数で対応。オーバーラップしていたヘスス・ナバスのクロスはフェラン・トーレスに防がれ、攻めあぐねたセビージャは自陣から組み立て直さなければならなかった。

 守備では敵のやりたいことをさせず、攻撃では華麗なパスワークで左右に揺さぶってフィニッシュに持ち込む。相手のストロングポイントを完全に防ぎ、自身らのストロングポイントは最大限活かす変則的なフォーメーションが機能したことが、セビージャを攻略できた最大の要因と言えるだろう。

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