フットボールチャンネル

バルセロナ、「変則4-3-3」でセビージャを攻略。難敵を沈黙させ、長所を最大限活かした方法とは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 編集部 photo by Getty Images

バルセロナの新たな両翼



 そんなチームの中で鍵を握っていたのは、両ウイングのフェラン・トーレスとウスマン・デンベレだろう。前述した変則的な守備を成り立たせ、さらに攻撃を牽引する活躍も見せていた。

 右ウイングに先発したデンベレはもはや無双状態。キレキレのドリブルに、両足から繰り出されるクロス。44分には完璧な動き出しから決定機を演出するなど、セビージャは同選手を抑えることが出来ていなかった。

 対して左ウイングのフェラン・トーレスは、サイドライン際で時間を作り、ペドリやジョルディ・アルバとの連係で相手を崩すなど、この両ウイングは攻撃の起点となっていた。

 またゴール前では互いの位置を把握し、16分の場面ではフェラン・トーレス→デンベレと繋いでチャンスメイク。63分の場面では、左サイドから切り込んだフェラン・トーレスがデンベレにパスを出し、再びペナルティーエリア内でクロスを受けてフィニッシュと、この2人の連係でシュートまで持ち込めている。

 バルセロナには他にも、アンス・ファティやアダマ・トラオレといった強力なウインガーが在籍している。だが、この試合で攻守に渡って存在感を示し、抜群の連係をみせたこの2人は、間違いなくシャビ政権下のチームを引っ張っていく存在となり得る。残りのシーズンは少ないが、バルセロナの新たな両翼の活躍に期待したい。

(文:阿部勝教)

【了】

1 2 3

KANZENからのお知らせ

scroll top