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板倉滉が「そこで初めて気づいた」こととは? シャルケで過ごした充実の1年、サッカー日本代表に成長を還元できるか

text by 編集部 photo by Shinya Tanaka

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板倉滉
【写真:田中伸弥】



板倉滉がシャルケの1年で「初めて気づいたこと」とは

 ドイツ2部のシャルケは5月31日、マンチェスター・シティからの期限付き移籍でプレーしていたDF板倉滉の今季限りでの退団を発表した。



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 東京五輪にも出場した日本代表DFは、ドイツ2部リーグで31試合に出場して4得点を記録。守備だけでなく大事な場面で貴重なゴールを奪う攻撃面での結果も残し、シャルケの2部優勝と1部リーグ復帰に大きく貢献した。

「やっぱり寂しいですよね。1年間みんなといいシーズンを送れて、僕個人にとってもいいオプションで、ブンデスリーガでまたみんなとやりたいと思っていたので」

 シャルケには板倉を完全移籍で買い取る意思があった。板倉によればクラブも「『何とかするから』と言ってくれていた」という。しかし、その計画は実現せず「シャルケも悪くないし、僕もどうすることもできない。まずは感謝したいです」と別れを惜しんだ。

 財政難などの影響もあって2部に降格していたが、シャルケがドイツ屈指のビッグクラブであることに変わりはない。板倉はかつて内田篤人氏もプレーした名門を1部復帰に導いたことで、貴重な経験と成長を得ることができたと感じている。

「今まで感じたことのない……プレッシャーというのか、6万人以上のサポーターが入るスタジアムでプレーできた。シャルケとしては1年間で1部リーグに復帰しなければいけないプレッシャーがあったと思います。

なので、昇格を決めたザンクト・パウリ戦が終わったあとにめちゃめちゃ気が抜けたというか。そこで初めて気づいたんですけど、1シーズンを通して試合に出られたことは僕にとって成長につながっていると思うし、いい経験になったので、これからに生かされてくるんじゃないかなと思います」

 オランダ1部のフローニンゲンで2シーズン半過ごし、シャルケで1シーズン主力として活躍し続けた。欧州で着実に実績を積み上げる板倉は、過去にないほど自信に満ち溢れている。

 サッカー日本代表では2日のパラグアイ代表戦を皮切りに、6日のブラジル代表戦など4試合が組まれている。板倉は「シーズンを通して試合に出ることができましたし、今までやったことのないようなFW、デカかったり強かったり、なかなか経験できない相手と1シーズン通してプレーできた。そういうところの強さは確実に出てきているはず。そこをしっかり代表でも出していけたら」とカタールワールドカップ出場に向けたアピールにも燃えている。

 様々な報道が飛び交い、来季の移籍先も注目されるが「個人としては自分を必要としてくれているクラブに行きたい。まだ決まっていないですし、僕もわかっていない」と述べる。それよりもまずは目の前の日本代表戦に集中する構えだ。

「(ワールドカップは)間違いなく目指している大会ですし、絶対に出たいという思いは強い。この4連戦がチームにとっても僕にとっても大事にになる。僕ら東京五輪世代がもっともっと試合に出て活躍することで、日本サッカーがどんどん強くなっていくと思います。そういう自覚が生まれた1年でもありました。まずは(カタールワールドカップの)メンバーに入れるように頑張りたいです」

 東京五輪で世界トップクラスとの差を見せつけられる悔しい思いをした。その後、確実に1部昇格を果たすことが求められるシビアな環境で1年間レギュラーを守って目標を達成した。クラブでの挑戦の合間には日本代表でワールドカップ予選を戦い、チーム内での存在感を徐々に大きくしてきた。

 6月の4連戦で今季の1年間で成長した姿を示し、日本代表のチーム内競争を活性化させる板倉のパフォーマンスに期待したい。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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