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「全然やれている感覚はない」三笘薫が苦しんだベルギー1年目。「出るためにWBが最適だった」【21/22欧州日本人総括コラム前編】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

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 数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、ベルギーのロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに所属する三笘薫のシーズンを前後編にわたって振り返る。(取材・文:舩木渉)



欧州初挑戦の三笘薫。ハットトリックが転機に

三笘薫
【写真:Getty Images】

 欧州に渡って初めてのシーズンは、山あり谷ありだった。

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 昨年8月に川崎フロンターレからイングランド・プレミアリーグのブライトン&ホーブ・アルビオンへ完全移籍した三笘薫は、ベルギー1部のロイヤル・ユニオン・サン=ジロワーズに貸し出されることとなった。

 しかし、負傷を抱えたまま東京五輪に出場していた影響で新チームへの合流が遅れ、リーグ戦序盤はメンバー外が続いてしまう。第7節のゲンク戦でベルギーデビューを飾った後も、しばらく途中出場でしか出番をもらえなかった。

 そんな中、大きな転機となった試合がある。2021年10月16日に行われたリーグ第11節のスラン戦で、三笘の立場はガラリと変わった。

 スランに2点を先行され、退場者も出していたユニオンは、後半開始から三笘をピッチに送り出す。この交代策が当たった。背番号18の日本人ドリブラーは55分に追撃の1点を挙げると、ダンテ・ヴァンゼイルの同点弾を挟んで76分と90分にも加点。数的不利な中、三笘は45分間でハットトリックを達成してチームを大逆転勝利に導いたのである。

 ファン・サポーターからの目線も劇的に変わった。センセーショナルなパフォーマンスを披露した三笘を称える個人チャントも生まれ、一躍大人気選手の1人に。結果を出したことで、翌節から先発起用が続き、昨年11月には日本代表からも初招集を受けた。

「(ベルギーでは)まず自分のプレーやどういうプレーヤーなのかを認めさせないといけないし、わかってもらわないといけないので、練習からそういったところをアピールするようにしていました。1人ひとりのプレーをしっかりと観察して、1人ひとりにどういうプレーが最適なのかを考えてやっていました」

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