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ベルギーで三笘薫は変わった。「強度は全く足りていない」サッカー日本代表で感じた世界基準【21/22欧州日本人総括コラム後編】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 舩木渉 photo by Getty Images

ブラジル代表戦で感じた「世界」との差



 日本代表でも大きな期待を寄せられ、欠かせない選手の1人となりつつある。4-3-3の左ウィングに入った三笘がボールを持つと、スタジアムの空気が変わるほどだ。そして、相手ディフェンスのタイミングを外して一気に危険なエリアへ切り込んでいく姿は、1年前よりもはるかに力強くたくましくなった。ただ、本人は全く満足していない。

「自分としては強度は全く足りていないと思いますし、世界の選手はずっと仕掛けられる能力もあって、守備でもタフに戦える。これからまだまだそこ(強度)を伸ばさないと代表にも関わっていけないと思います」

 6月6日のブラジル代表戦ではDFエデル・ミリトンに1対1の勝負を挑み、世界レベルを肌で感じた。自慢のドリブルで仕掛けた最初の1対1では抜きかけたものの、2度目以降は完璧に対応されてしまい、現実を突きつけられた三笘は「自分のドリブルがどれだけ通用するか知りたかった。でも2本くらい止められているので、そういう実力だなと改めてわかったのがよかったと思います」と、さらなる成長への意欲を抱いている。

 ウィングバックという慣れないポジションに挑戦し、長期離脱という「谷」も味わった1年だった。だが、その中でも出場時間を伸ばしながら結果を残し、日本代表でも印象的な活躍を披露して重要な選手になるなど、時とともに登る「山」は着実に高くなっている。

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