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誰にもできることではない。南野拓実がリバプールで証明した価値とは? 世界最強軍団で感じた悔しさと充実感【21/22欧州日本人総括コラム】

シリーズ:21/22欧州日本人総括コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

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数多くの激闘が繰り広げられた2021/22シーズンが幕を閉じた。欧州各国でプレーする日本人選手たちは、果たしてどのような活躍を見せたのだろうか。今回は、イングランドのリバプールに所属する南野拓実のシーズンを振り返る。(文:小澤祐作)


リバプール加入後最高の成績を収める

南野拓実
【写真:Getty Images】

 ユルゲン・クロップ監督率いるリバプールは今季も抜群に強かった。前人未到の4冠達成こそならなかったものの、プレミアリーグ2位、チャンピオンズリーグ(CL)準優勝、FAカップ優勝、カラバオ・カップ優勝は十分すぎる成績と言っていいだろう。

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 そんな世界最強クラブの一員として、日本代表FW南野拓実も確かな存在感を示していた。

 公式戦24試合で10得点1アシスト。もちろんこれはリバプール加入後キャリアハイとなる成績である。同クラブで今季公式戦2桁得点に乗せたのはモハメド・サラー(31得点)、サディオ・マネ(23得点)、ディオゴ・ジョタ(21得点)、ロベルト・フィルミーノ(11得点)で、そこに南野も名を連ねたことを考えれば、やはり立派な結果だと言える。

 とくにカップ戦での活躍ぶりは目を見張るものがあった。

 FAカップでは4試合で3得点を記録し、16季ぶりとなる優勝に貢献。そのパフォーマンスが評価され、メイソン・マウント(チェルシー)やチアゴ・シウバ(チェルシー)、トレント・アレクサンダー=アーノルドといった名だたる実力者と共にファンが選ぶ大会ベストイレブンに選出されることになった。

 そしてカラバオ・カップでは5試合で4得点1アシストを記録し、こちらも優勝に貢献。とくに印象的だったのは準々決勝レスター戦で、ジョタの得点をアシストしただけでなく、後半アディショナルタイムには胸トラップから右足ボレーで同点弾を奪取している。このゴールがなければリバプールは早々に敗退していたはずなので、南野が果たした仕事はあまりにも大きかった。

 そんな南野に対する各方面からの評価は高い。元リバプールのホセ・エンリケ氏は自身のツイッターに「彼(南野)がいなければ、この2つのカップ戦での優勝はなかっただろう」と投稿。現地メディアやサポーターからは「クロップ監督の下で重要な役割を果たした」「カップ戦優勝はタキのおかげ「タキの貢献は素晴らしい」などといった称賛の声が相次いでいた。

 しかし、南野自身はリバプールでの1年間に決して満足しなかったようだ。それは、代表ウィーク期間中に残し、リバプール専門サイト『This is Anfield』などにも取り上げられたコメントからも明らかである。

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