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久保建英 2年前

久保建英、デビュー戦はどうだったのか。レアル・ソシエダで垣間見えた課題と修正、シルバから学ぶべきことは?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 小澤祐作 photo by Getty Images

ソシエダはやはり理想的なクラブ



 マーカーの背後を突いてボックス内に走り込みA・マルティンのパスを引き出すと、GKヤン・ゾマーと1対1の状況を作り出したのである。

 しかし、かわそうとしたところでスイス代表GKが伸ばした足にボールが引っかかり、ゴールはならず。ブンデスリーガ屈指のビッグセーバーであるゾマーの対応は見事だったが、アピールという意味ではやはり決めきりたかった。

 結局、久保はゴールもアシストもなく試合終了のホイッスルを迎えることになった。しかし、ボールによく絡み決定機も創出。守備時も首を振って味方とコミュニケーションを取り、しっかりとマークの確認を行っていたなど、新天地デビュー戦としては上々の出来だったと言っていいだろう。

 やはりソシエダは久保にとって理想的なクラブだ。マジョルカやヘタフェと違いボールを簡単に捨てることがなく、必ず自分たちの時間を作れる。選手個々の技術力、ボールを受ける意識も高いため、攻撃の選手一人ひとりが孤立しない。この日の久保はボールロストが少なかったが、テクニックの高さはもちろん、味方のサポートもあったからこその結果と言えるだろう。

 そして何より大きいのは“動き”を見てくれる選手が揃っていることだ。マジョルカでは放り込みサッカーが基本で、かつ出し手に回ることが多かったので、ボックス内で決定機に絡むことがそれほど多くなかったが、ソシエダでは78分のようなビッグチャンスに期待できる。オフ・ザ・ボールの動きにさらに磨きをかければ、ゴール数は自ずと増えていくだろう。

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