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相馬勇紀「同じ土俵には立てていない」。大活躍でも厳しい自己評価、サッカー日本代表で海外組を脅かす存在になるか?【E-1サッカー選手権2022】

text by 編集部

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【写真:田中伸弥】



相馬勇紀が三笘薫を脅かすか!?

【日本 3-0 韓国 E-1サッカー選手権2022】

 EAFF E-1サッカー選手権2022決勝大会の最終戦が27日に行われ、サッカー日本代表は韓国代表を3-0で下し、4大会ぶりの優勝を果たした。



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 大会で最も輝いた選手に贈られる最優秀選手賞は、日本代表MF相馬勇紀のものとなった。同選手は3得点を挙げ、得点王と大会MVPをW受賞。日本代表の4大会ぶり優勝に大きく貢献した。

 国内組にとってカタールワールドカップ出場に向けた最後のアピールチャンスとしても位置づけられていた大会で、名古屋グランパスに所属する25歳は圧巻のパフォーマンスを披露した。左サイドを再三にわたってドリブルで切り裂き、精度の高いキックでも存在感を発揮。初戦の香港代表戦では直接フリーキックによるゴールも挙げていた。

 今季の名古屋では主に3-5-2の左ウィングバックを務めており、守備の負担も大きく、持ち味を全て発揮できているとは言えない状況になっている。その中でも懸命に成長のきっかけを探しながら戦い、日本代表入りのチャンスをつかんだ。

 普段はなかなか強みをアピールできないこともあってか、並々ならぬ決意を抱いて臨んだ大会。相馬は「(森保)監督からは多彩に味方と関わりながらゴールに迫ってのクロスや、ゴール前で仕事することにチャレンジしてほしいと言われていました」と明かす。サイドに張ってパスを待ち、ボールを持ったらドリブルで縦に仕掛けるのが十八番だったが、今大会はより柔軟なプレーを意識して戦った。

 現在の日本代表では、FW三笘薫をはじめ相馬とともに東京五輪を戦った同世代の選手たちが重要な役割を担うようになってきている。カタールワールドカップアジア最終予選突破に貢献した戦友たちに追いつき、追い越し、本大会出場の権利をつかむために。E-1サッカー選手権はJリーグでプレーを続ける相馬にとって、絶対に逃してはならないチャンスだった。

 しかし、三笘ら海外組の選手たちと「同じ土俵には立てていないと思います」と相馬の自己評価は相変わらず厳しい。

「彼らの最終予選の相手の強さや、プレッシャーがかかった状況はもっともっと上のものなんだろうと思っています。自分の方ができないとは思っていないですけど、客観的に見て彼らの方が戦っている舞台も活躍している舞台も上。しっかりリスペクトしながらも『負けないぞ』という気持ちはいつも持っているので、これから自分がどれだけパワーアップ、成長できるかが次につながると思っています」

 森保一監督は9月に予定されている日本代表の欧州遠征に連れていきたい選手が見つかったことを明かしていた。E-1サッカー選手権で得点王と大会MVPを獲得した相馬も、候補となる選手の1人だろう。

 25歳のウィンガーは「守備のところでボールを奪いにいく迫力だったり、相手のサイドバックが上がった時に絶対にマークを離さないでついてて守り切るところは自分の良さ」と、自らの長所を存分にアピールした。ウィングバックでのプレーも選手としての総合力を向上させるにあたって決して無駄な経験ではない。

「この大会では成功体験がすごく大きかった。サイドハーフをやって、新しいことにどんどんチャレンジできて幅が広がったと実感していました。ワールドカップで戦うのはスペイン代表やドイツ代表で、世界のトップレベルの選手なので、その相手とやった時にも通じるくらいのレベルアップが必要。今がどうこうというより、ここからさらに成長していきたいと思っています」

 さらなる進化へのきっかけをつかんだ相馬は、海外組の日本代表選手たちを脅かす存在となるだろうか。今回のE-1サッカー選手権によって、カタールワールドカップに向けた競争は一層激しさを増していくことだろう。

(取材・文:舩木渉)

【了】

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