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アーセナル、エースが苦戦の原因に。昇格組相手にあわや…。なぜ機能しなかったのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 阿部勝教 photo by Getty Images

冨安の今後の起用法は…



 苦戦を強いられたアーセナルは、85分に逆転すると、試合終了間際の89分に冨安健洋を投入。守備に厚みを持たせ、逃げ切りに成功した。

 現在スタメンの座を確保できていない冨安は、今後もおそらく今節のような起用が続くだろう。

 この試合でミケル・アルテタ監督は、これまで同様に4-2-3-1を採用した。右サイドバックにベン・ホワイト、左サイドバックには欠場したジンチェンコに代わり、キーラン・ティアニーを起用。1点ビハインドで迎えた61分にはティアニーを下げてエンケティアを投入し、より攻撃的な3-5-2へフォーメーションを変更している。

 この変更が容易に行えるのは、ベン・ホワイトが右サイドバックに入っているからだ。3バックに変更してもDFラインに残るのはCBを本職とする3選手。フォーメーション変更のためにDFの選手を変える必要が無く、強度が下がることもない。スムーズに移行することが出来る。

 冨安でもこの変更は可能だ。だが、現在の序列では、右サイドバックでもCBでもベン・ホワイトが上。この試合で左サイドバックとして入ったように、おそらく日本代表DFは試合を勝ち切るためのカードとしての起用が続くことになるだろう。

 前線の選手であれば、少ない時間でも結果を残してアピールすることが出来るが、DFは難しい。この現状を打破することは容易ではないが、果たして冨安は再びスタメンに返り咲くことは出来るだろうか。

(文:阿部勝教)

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