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生まれ変わったマンチェスター・ユナイテッド。チームを変えた2人の新戦力とは?【22/23補強診断(4)】

シリーズ:22/23補強診断 text by 編集部 photo by Getty Images

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2022/23シーズンの移籍市場でも多くの移籍が成立したが、プレミアリーグのビッグクラブはどのような動きをみせたのか。今回はアヤックスで実績を積んできたエリック・テン・ハグを新監督に招聘し、タイトル奪還を目指すマンチェスター・ユナイテッドの補強動向を分析する。(文:安洋一郎)


チームに多くのことをもたらしている新戦力


【写真:Getty Images】

 昨季はラルフ・ラングニック暫定監督の下で低調なパフォーマンスに終始したマンチェスター・ユナイテッド。実際に1試合平均の勝ち点は「1.5」と勝率42%は史上最低の数値であり、UEFAヨーロッパリーグ(EL)出場権を獲得できたのは奇跡に近いだろう。
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 そんな中、今夏はアヤックスからエリック・テン・ハグ監督を招聘し、昨季に続いて大型補強を敢行した。アヤックス時代の教え子であるリサンドロ・マルティネス、アントニー、オランダ代表期待の逸材であるタイレル・マラシア、ブレントフォードで完全復活を遂げたクリスティアン・エリクセン、そしてレアル・マドリードで数々のタイトル獲得に貢献し、世界最高のボランチとも評されるカゼミーロを獲得した。

 エリクセンは昨夏のユーロ2020(欧州選手権)で試合中に意識を失い、植え込み型除細動器(ICD)を装着してのプレーとなっているが、それが全く気にならない素晴らしいパフォーマンスを披露している。3列目のポジションから攻撃のスイッチを入れる縦パスや、相手ディフェンスラインの隙を狙ったフリーランなど「サッカーIQ」の高さを生かした頭脳的なプレーで違いを生み出している。

 そして今夏、最も重要な補強だったのがリサンドロ・マルティネスだ。アルゼンチン出身のDFらしく、気持ちを前面に押し出してプレーするのが持ち味で、ゴール前でのシュートブロックやタックルの後に見せる渾身のガッツポーズはチームの士気を上げている。これに乗せられてか周りの選手も良いパフォーマンスをした後にお互いを讃え合うことが増え、昨季と比較すると段違いに最終ラインがまとまっている。

 また昨季は本領を発揮できたとは言い難いラファエル・ヴァランもマルティネス加入の影響を良い意味で受けており、レアル・マドリード時代のセルヒオ・ラモスのようにコーチングをしてくれる選手が隣に入ったことで、昨季とは全く違う姿を披露している。

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