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まさに“変幻自在”。レアル・マドリードだからこそできたアトレティコ攻略法。なぜベンゼマ不在でも勝利できたのか?【分析コラム】

シリーズ:分析コラム text by 本田千尋 photo by Getty Images

レアル・マドリードの“シンプルな攻撃パターン”とは?



 18分、左のハーフスペースでメンディからボールを貰ったロドリゴは、チュアメニに預けると、ギアを上げて一気にボックス内に走り込む。新加入のフランス代表MFは正確なリターンパスを送ると、ブラジル代表FWも足元でワンバンドしたボールを正確にフィニッシュ。レアルに貴重な先制点をもたらしたのは、ワンツーという、フットボールにおいって最も基本的な、それでいて最も効果的である“シンプルな攻撃パターン”だった。

 このワンツーを駆使して、エル・ブランコの選手たちは追加点を奪う。36分、今度はヴィニシウスが、モドリッチとのワンツーで左サイドを抜け出す。ブラジル代表FWは、フルスロットルで加速してボックス内に侵入してシュート。左のポストに当たってしまったが、跳ね返ったボールを右から走り込んできたバルベルデが詰めて2点目――。

 相手の守備ブロックの強度が高いのであれば、無理にライン間にポジションを取ってボールを受けようとせず、その外側からワンツーで崩していく。レアルの選手たちは、フットボールの原点に立った攻撃をしているように見える。アトレティコとのダービーで、難しいことは考えず、手数を掛けない“シンプルな攻撃パターン”こそが最も効果的である、ということを証明した。

 そして何より、このアトレティコ戦で際立ったのは、2点リードして折り返した後半戦の戦い方だった。

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