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なぜ…日韓ワールドカップで輝けなかった5人の名手。大誤審の餌食になったのは?

シリーズ:ワールドカップで輝けなかった5人の名手 text by 編集部 photo by Getty Images

まさかの戦犯扱いに…

ティエリ・アンリ
【写真:Getty Images】

FW:ティエリ・アンリ(元フランス代表)
生年月日:1977年8月17日
日韓ワールドカップ成績:2試合0得点0アシスト

 ジネディーヌ・ジダン、リリアン・テュラムらの存在感が光った1998年フランスワールドカップで優勝し、その2年後に開催されたユーロ(欧州選手権)でも優勝。W杯と欧州選手権を立て続けに制した史上初の国になったことからも分かる通り、当時のフランス代表は誰もが認める最強のナショナルチームだった。当然、日韓W杯でも優勝候補として注目を浴びていた。

 ところが、本大会直前に大黒柱のジダンが負傷。グループリーグ初戦と第2節を欠場することになった。すると、それまでジダンが中心となっていたチームの歯車が崩壊。初戦のセネガル代表戦を落とし、続くウルグアイ代表戦ではスコアレスドローに終わった。第3節デンマーク代表戦ではジダンが強行出場するもさすがに厳しく、チームは0-2で敗戦。前回大会王者が未勝利、しかも無得点で大会を去るのはこのフランス代表が初のことだった。

 その中で戦犯扱いを受けたのがティエリ・アンリである。ジダンを欠くチームの中心選手として期待されたが、初戦のセネガル代表戦は不発。続くウルグアイ代表戦では、こぼれ球を拾おうとスライディングタックルすると、足裏で相手選手を削ってしまい一発退場を命じられている。試合開始から、わずか25分のことだった。結局、チームも早期敗退したことで、日韓大会でアンリの姿を見ることができたのは115分間のみに留まっている。

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