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「危険な男」鎌田大地が考えるドイツ代表の「狙い目」サッカー日本代表を勝利に導くには【コラム】

シリーズ:コラム text by 元川悦子 photo by Getty Images

鎌田大地が持つ老獪さ



 実際、日本代表がゴールを奪うとしたら、2列目の飛び出しが一番の近道。9月のアメリカ合衆国代表戦も守田から伊東純也を経て、鎌田が仕留めている。ああいったショートカウンターが出れば、今の鎌田は高い確率で決められる力がある。フィニッシュの冷静さは折り紙付きと言っていい。そういった頼もしい人材が今の森保ジャパンにいるのは本当に朗報。どんな厳しいマークを受けようと、技術と創造性、賢さ、老獪さを併せ持つ彼ならやってくれるはず。期待してよさそうだ。

「ドイツに勝つことの意味ですか? もちろん大事ですよね。勝ち点3はほしいし。それこそ自分はよく言ってますけど、日本人の価値をこの大会で高めないとダメ。優勝候補のチームだったり、いいチームに勝つことによって、世界からの自分たちの見られ方を一気に変えられる。ドイツに勝てたら大きく変化する。自分たちの価値を高める上でも、この一戦は大事なのかなと思います」

 鎌田の言うように、本当に日本がW杯ベスト8進出を成し遂げようと思うなら、ドイツ代表やスペイン代表、ベルギー代表といった世界トップ10に入るような国を複数倒さなければならない。ドイツというのは本当にいい試金石なのだ。

 相手の全てを知り尽くす鎌田が中心となって、高い位置でボールを奪い、ドイツDF陣やボランチの空いたスペースに侵入し、数少ないチャンスを決める…。そういったしたたかな戦い方ができればまさに理想的。背番号15には「危険な男」という評価通りの一挙手一投足を見せてもらうしかない。

(取材・文:元川悦子【カタール】)

【了】

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